ウコンとターメリックの違いとは? 意外な食べ物が二日酔いに効く!?

二日酔い対策で人気の、ウコン入りドリンク。

ウコンといえば、確かターメリックと同じものを指すと思うのだけど……
カレーを食べれば二日酔い対策になるのでしょうか?

それとも、ウコンとターメリックは違うものなのでしょうか?

両者は同じものなのか、はたまた別物なのか。気になったので、調べてみました。

ウコンとターメリックの呼び分け

結論を少しだけ先取りしてしまうと、
ウコンとターメリックは、厳密には別物だけれど、おおまかな意味では同じものを指します。

まず、日本語で「うこん」と呼ぶ植物があり、その中で特に漢方薬に使われるものを「ウコン」と呼び、
そしてカレーなどのスパイスに使うものを「ターメリック」と、習慣的に呼び分けているのです。

歴史的には、漢方薬としての「うこん」は「姜黄(キョウオウ)」「鬱金(ウコン)」と呼び分けていました。

明治維新後、イギリス経由でカレー料理が広まったことで、
スパイス用うこんを英語名「ターメリック」と呼ぶようになりました。

そして、スパイス用では無い方のうこんを「ウコン」と呼ぶようになり、今に至ります。

「ウコン」=春ウコン

漢方薬に使われる方の「うこん」=「ウコン」。

正式には「春ウコン」と言い、広義の「うこん」の春咲き品種です。

「春咲き品種」とは、農業・園芸用語です。
一部の植物には、「秋にも春にも花が咲く」「春か秋のどちらかに花が咲く」という習性のものがあります。
そういった植物の中で、特に春に育てるのが向く品種・春に咲く品種を「春咲き品種」と呼びます。

品種の違い、とは、犬で言えば「柴犬と秋田犬とダックスフンドの違い」。

あまり違いが分からない品種もあれば、
大きく違う品種もあり、でも確かに同じ植物の仲間であるわけです。

さて、春ウコンには、どんな特徴があるのでしょうか。

まず、春ウコンは、強い苦味と辛味があるため、お料理に使うには不向きです。
そのため、同じうこんでも、もっぱら薬用、というわけです。

また、春ウコンだけの特徴として、精油成分とミネラルが豊富に含まれています。

精油成分は、動脈硬化予防やガンの抑制に役立つと言われており、盛んに研究が進められているそうです。

「ターメリック」=秋ウコン

スパイスに用いられるうこん=「ターメリック」。

こちらは秋咲きの品種で「秋ウコン」といいます。

特長は、春ウコンに比べて、根の中身がとりわけ濃い黄色であること。

布などの染料、食品の着色料(もちろんカレーの黄色も)として、広く利用されています。

うこんの黄色成分は「クルクミン」といい、人間の健康にも良い事が分かっています。

少しややこしい話になりますが、
いわゆる「二日酔い対策のウコン入りドリンク」は、こちらの「秋ウコン」が使われています。

二日酔いに効果がある「クルクミン」という成分は、春ウコンより、色が濃い秋ウコンの方が多いのです。

なので、日本の習慣にのっとるなら
「ウコン入りドリンク」は「ターメリック入りドリンク」と呼ぶ方が正しいのです。

が、それではちょっと有難味に欠けるので、マーケティング戦略として、
漢方薬のイメージがある「ウコン」を名前に採用したのでしょう。

秋ウコンも立派なうこんには間違い無いので、誤ったネーミング、というわけでもありませんから。

適度に美味しく二日酔いを解決

ここまで読んで、「あれ? まさか……」と思った方、鋭いです。

秋ウコン=ターメリック=ウコン入りドリンクの原料。

なんと、二日酔い対策ならば、スパイスのターメリックで代用できるのです。

つまり!!

カレーは二日酔い対策に有効なのです!

ただし、二日酔い対策を期待してターメリックを摂取するには、いくつかコツがあります。

まず、薬用成分クルクミンは脂溶性なので、油脂と一緒にとる必要があります。
お食事の直後にターメリックの粉末を飲むか、カレー料理として食べます。

クルクミンの吸収効率を上げるために、一日のうち数回に分けて、摂取しましょう。

また、クルクミンには、「一日の摂取目安量」があり、
これをオーバーすると、逆に身体に不調を来すと言われています。

摂取目安量は、WHOによれば、体重1kgあたりクルクミン0~3mg
ご自分の体重と、入手したターメリックのクルクミン含有量から、計算して下さい。

なお。ハウス食品の解説ページによれば、
秋ウコンのクルクミン含有量は、重量の1.1~4.8%だそうです。目安としてご利用下さい。

そんな難しくて細かいこと、面倒くさい!と思ったら、迷わず市販のウコン入りドリンクをどうぞ。

まとめ

・ウコンとターメリックは、広義には同じ植物。厳密には、違う品種である。

・日本の習慣として、漢方薬に用いられる春ウコンを「ウコン」、
スパイスに用いられる秋ウコンを「ターメリック」と呼び分けている。

・このコラムでは、日本の習慣に準じて、広義のうこんを「うこん」、
漢方薬に用いられる品種を「ウコン」、スパイスに用いられる品種を「ターメリック」と呼び分ける。

・二日酔い対策の「ウコン入りドリンク」は、ターメリックを原料としている。
ターメリックも「うこん」なので、決して間違いでは無い。

・よって、カレー粉は二日酔い対策に効くが、量の計算などを考えれば、ウコン入りドリンクを飲むのが無難である。

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