学生の頃「今月ひもじいわ…」とお金ないですよアピールしてくる友達がいました。
バイト代使っちゃったのかな、と心配になりますね。
ひもじいという言葉を「お金がない」「貧乏」というような意味合いで使ってきたのですが、本当の意味は違うということを皆さんご存知でしたか?
今回はひもじいの意味と使い方についてまとめます!
みんなが思うひもじいとは?
ひもじいという言葉は方言ではないかという意見がいくつかありました。
戦時中などに今のおじいちゃん世代が使っていたイメージが強いような気もします。それぐらい現代の人には浸透していない言葉のようです。
しかし、ひもじいは方言ではありませんでした。
・辞書でいうひもじいとは
ひもじい(ひ文字の形容)
空腹で食べ物がほしい。ひどく腹が減っている。
例文:「終戦当時ひもじい思いをした」
【派生】ひもじがる【動ラ五】ひもじげ【形動】ひもじさ(名)
「ひ文字」ってなに?
辞書には「ひ文字」の形容系がひもじいであるとされていました。
このひ文字というのは女房言葉といい、室町時代初期ごろから使われていました。
宮中などに使える待女(家政婦さんのようなものです)が使い始め、そんな言葉たちの一部は現在でも隠語として残っているといいます。
言葉の最後に「もじ」をつけることで、遠回しに表現したようです。
他に例を挙げると
- ゆ文字→浴衣
- しゃもじ→杓子(しゃくし)
これを見るとよくわかりますね。
今では浴衣のことをゆ文字という人はなかなかいませんが、しゃもじはよく使います。これも昔からの言葉だったのですね。
考え方としては、今の流行り言葉のようにその当時流行っていたギャル語だととらえると分かりやすいと思います。
ひ文字の「ひ」は、「ひだるい」の略です。
「ひだるい」ってなに?
聞いたことない人もいると思いますが、「ひだるい」というのはおなかが空いて体を動かすのもつらい状況を表した言葉です。
理由は「脾臓(ひぞう)がだるい」からで、
「ひぞうがだるい」→「ひだるい」→「ひもじい」と変化していったと考えられます。
宮中で「ひだるい」とは失礼にあたるので、「ひ文字で…」という表現に代わっていったのが本当の理由です。
方言だと考える人がいるのはなんで?
実は地方によって「ひもじい」のほかに、「ひだるい」、「ひだるか」と昔と変わらず使われているところもあるので、そのせいで方言なのでは?という疑問が産まれたようです。
まとめ
いかがだったでしょうか?ひもじいという言葉の語源が「脾臓がだるい」という言葉から来ていたのは驚きですね。
宮中の女の人も、自分の置かれている環境のなかで言葉を変化させて巧みに使っていたと思うと、その辺は現代の人と変わらないかもしれません。
ちょっとした豆知識にもなりますし、友達に披露してあげても面白いかも!