我が家に、にぎやかな姪っ子ちゃんが姉妹で遊びにきました。このふたり、食べ物の好みが違って、結構たいへん。どんな食べ物にしても、硬い派と柔らかい派に分かれます。お肉の焼き加減からオムライスの卵、フルーツの完熟具合まで…。
遊びに来た日には、たまたまテーブルの上にバナナがありました。
妹:「バナナはおじいちゃんになると美味しくないよね~。」
(実家では、熟して茶色く点が出てきたバナナをおじいちゃんバナナと呼びます。笑)
姉:「でも、おじいちゃんじゃないバナナって、硬いしおなか痛くなるし、好きじゃないんだよね。」
旦那:「まだ青いバナナは、消化がよくないからね。」
マラソンが趣味の旦那が栄養補給によくバナナを食べるんですが、いつもおじいちゃんバナナを探します。栄養補給には消化がいい方が効果的なはず。
バナナは消化にいいという話もあるけど、姪っ子ちゃんのようにおなかが痛くなる=消化に悪いというのも聞いたことがある話。
実は、バナナは色の違い=完熟度で、味や硬さだけでなく、体への効用や消化のよさまで違うのです。なかなか興味深いバナナという果実。わかりやすく完熟度合いの色3色:黄色・茶色・青で、効用の違いをまとめてみます。
「黄色バナナ」
全体的にキレイな黄色のバナナは、一番バナナらしいかも知れません。身はほどよい硬さで食べごたえもあり、甘みも香りも最もバナナ。
この黄色のバナナ、3色のバナナの中では一番ビタミンB群が多く含まれています。
ビタミンB群は、不足すると肌荒れを起こす原因になってしまいます。その中でもB2、ナイアシン(B3)、B6は、美肌への効果が高いのが知られてます。B群はお互い作用しあって効果を発揮するので、群で摂取するのがいいと言われています。
黄色バナナ、この3つのビタミンをバランスよく豊富に含んでいるんですよ。その量は、他のフルーツに比べてダントツです。黄色バナナは、【美肌効果バツグン】なのです。
もうひとつ注目したいのが、黄色バナナの抗酸化物質の豊富さ。酸素を体内に取り込み過ぎた時、その酸素は活性酸素になります。活性酸素は、体内のさびと呼ばれ、体の内側・外側を老化させます。そんな活性酸素を除去するのが、抗酸化物質なのです。
老化の原因を取り除いてくれる物質が豊富=【アンチエイジング効果が高い】のが、黄色バナナなのです。
また、適度なでんぷん質とエネルギー源となるブドウ糖・果糖などの糖類をバランスよく含んでいます。糖類は様々な種類が含まれていて、すぐにエネルギーになる糖と時間を経てエネルギーになるものがバナナにはあります。
黄色バナナ自体はフルーツの中でも消化がいいと言えますが、糖類が時間差で変化する、【エネルギーの持続性が特徴】で、アスリートに好まれるのです。
「茶色バナナ」
茶色バナナとは、シュガースポットと言われる茶色の点々が出だしたころからのバナナのことです。甘い香りが強くなり、深い甘さで柔らかめの身が特徴です。
茶色バナナの甘さは、フラクトオリゴ糖からきています。これは、バナナにもともと含まれるでんぷん質が、熟していく過程でフラクトオリゴ糖に変化するためです。フラクトオリゴ糖は「難消化性」の糖で、消化されずに腸までとどき、整腸作用を発揮してくれます。
また、バナナには、消化吸収を活発にしてくれる消化酵素のアミラーゼも含まれています。炭水化物の消化に働きかける酵素で、バナナで体内に摂取すると消化を助けてくれます。
フラクトオリゴ糖の整腸作用と消化酵素アミラーゼのW効果で、茶色バナナは【消化がいい】と言えます。
また最近の研究では、茶色バナナには【免疫力を高める】効果があること、牛乳と混ぜて摂取することで【胃粘膜保護がアップ】することが確認されました。胃に負担がかかる食生活をしている人、胃の弱い人にオススメです。
「青バナナ」
皮の枝つきのほうがまだまだ緑の青バナナといえば、さっぱりした甘さの中に若干の酸味を感じられ、しっかりした歯ごたえがあるバナナです。スーパーマーケットなどで売られているバナナは、このフレッシュな青バナナの状態が多いですよね。
青バナナの一番の特徴は、「でんぷん質」です。
このでんぷん質は「難消化性」=消化はよくないのです。難消化性のでんぷん質は、でんぷんのまま腸までとどきます。【消化がよくない】という害があるようですが、【腹持ちがいい】というメリットでもあります。
また、でんぷん→糖→脂肪への変化が緩やかなことで、血糖値の上昇も緩やかに。これは、ダイエットに向いている条件になります。
さらに、腸までとどいた難消化性でんぷん質は、不溶性食物繊維と同じ働きをします。つまり、【整腸作用があり、便意を催す効果】があるのです。これもダイエット向き効果ですね。
ただし、便意を催す効果なので、下痢の症状がある時には青バナナには注意してください。
まとめ
食感や甘さの好みで食べているバナナですが、色=完熟度の差で、こんなに違う効用があるんですね!
まとめてみると…
- 「黄色バナナ」→【美肌効果バツグン】【アンチエイジング効果が高い】【エネルギーの持続性】
- 「茶色バナナ」→【消化がいい】【免疫力を高める】【胃粘膜保護がアップ】
- 「青バナナ」→【消化がよくない=腹持ちがいい】【整腸作用があり、便意を催す効果】
スポーツ前には「黄色バナナ」か「茶色バナナ」、ダイエット中や便秘ぎみの時には「青バナナ」など、色でバナナを食べ分けましょう。