生きがいとは何か?人生を幸せに生きる為に必要な3つのステップ


「生きる」

毎日起きて、または寝て、1日を初めて、1日を終える。

世界は日が昇り日が沈みを繰り返して、
その中で私たちは漠然と、個々として存在しています。

「自分は何のために生きているのか」

どんなカタチであれ、ほとんどの人がこの問いを頭に浮かべたことがあると思います。

生きる上で生きがいがあることは人生を前向きに進むことができますよね。
ですが中には「自分には生きがいがない」と後ろ向きな気持ちで過ごしている方も多いのではないでしょうか。

今回はアドラー心理学と哲学者ニーチェ等の言葉を引用して、
生きがいを見つける為に、人生を幸せに生きる為に必要なことを
3つのステップに分けて紹介します。

生きがいの正体

そもそも生きがいとはなんなのでしょう?

生きがいの意味はそのまま「生きていてよかった」「この世に生を受けてよかった」と思える、
「生きる甲斐がある」というものです。

では、人はどのようなときに「生きていてよかった」と思えるのでしょうか?

アドラー心理学では、人が幸せを感じるには自分の所属する共団体(グループ)の中で、
いかに自分が貢献できたかに左右されるという「共同体感覚」という概念があります。

自分が他者に貢献できた時に、幸せを感じる・生き甲斐を得るという考えなんですね。

さらに超訳 ニーチェの言葉から引用すると、
このような文言が出てきます。

不機嫌になる大きな理由の一つは、自分のなしたこと、自分の産んだことが人の役に立っていないと感じることだ。

だから、不機嫌な老人がいる。一方で輝く青春の真っ只中にいる若い人たちが不機嫌なのは、自分が社会の中で生産的な存在になることがまだまだ難しいからでもある。

したがって、いつも機嫌よく生きて行くコツは、人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。そのことで自分という存在の意味が実感され、これが純粋な喜びになる。

(著書)人間的な、あまりに人間的な

ニーチェ自身も「自分が機嫌よく生きる為には人の役に立つこと」と説いているんですね。

でも、他者貢献で幸せを得ると言われてもピンとこない方もいらっしゃると思うんです。
この共同体感覚を得る為に必要なステップを次の項目から解説します。

【ステップ1】汝自身を知れ「自己受容」

「汝自身を知れ」は哲学者ソクラテスの言葉です。
そして「自己受容」はアドラー心理学の一つの概念です。

まずは哲学者ショーペンハウアーの名言から、
自身の心の中を整理してみてください。

自分がどういうものであるか理解したい人は、次のような問いを自分に向け、真摯に答えてみればいい。

  • これまで自分が真実に愛したものは何であったか?
  • 自分の魂を高みに上げたものは何であったか?
  • 何が自分の心を満たし喜ばせたか?
  • これまでにどういうものに夢中になったか?

これらの問いに答えたとき、自分の本質が明らかになるだろう。それがあなた自身だ。

(著書)超訳 ニーチェの言葉

いかがですか?自分の本質を意識できましたでしょうか?

自分というものの「概念の骨格」を見定められたら、
今度はそのありのままの自分を受け入れましょう

ありのままの自分を受け入れるということは
「できない自分でも価値がある」と受け入れることです。
(「自分は○○ができる!」というような考えは自己肯定に該当し、ちょっと意味合いが違います)

本当の意味で自分を自己受容できたなら、次のステップに進めることができます。

【ステップ2】大切な人を見つける「他者受容・他者信頼」

ありのままの自分を受け入れられたあなたは、
他者も受け入れられる精神状態になれます。

では、「他者信頼」とはなんなのでしょう?
アドラー心理学では、「他者信頼」とは
無条件で相手を信頼することです。

ちなみに言うと、「信用」とはちょっと違います。
「信用」は銀行などの金融機関に言われる言葉で「(お金等が)返ってくる前提」で使われます。
「信頼」とは、何も見返りを期待せずに相手を信じることを言います。
他者受容もありのままの相手を受容するという意味でほぼ同義と言えるでしょう。

言葉では簡単ですが、結構難しいですよね。
見返りを期待しないで信頼できる他者とはどうやって関わりを始めるのでしょうか?

それのヒントになる一説をサン・テグジュペリ著の「星の王子さま」から抜粋します。

自分の小さな星のわがままなバラの花と別れて、いろいろな星をさまよい歩いた末、地球へやってきた星の王子さまは、草原でキツネに出会います。そしてキツネから、仲よくなる方法を教えられるのです。
キツネは言います。「あんたは、まだ、いまじゃ、ほかの十万の男の子と、べつに変わりない男の子なのさ。だから、おれは、あんたがいなくたっていいんだ。

 あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。あんたの目から見ると、おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。だけど、あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、おたがいに、はなれちゃいられなくなるよ。あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ」……「じぶんのものにしてしまったことでなけりゃ、なんにもわかりゃしないよ。人間ってやつあ、いまじゃ、もう、なにもわかるひまがないんだ」……「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」……「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、時間をむだにしたからだよ」

(著書)星の王子さま

キツネが王子に仲良くなるために何が必要なのかを説いた一説。
はっきりとした文言ではありませんが、
筆者はこの文章から「他者を(無条件に)愛する過程」を見たような気がしました。

家族、子供、恋人、友人、ペット、etc・・・
自分を愛し、愛する誰か・何かを見つけられたら、
いよいよ次のステップに入れます。

【ステップ3】汝自身を与えよ「他者貢献」

ステップ1,2を完了することができたなら、
あとは簡単です。

自分が好きな誰か、何かの為になにか行動を起こしてみてください。

「汝自身を与えよ」はイエス・キリストの教えです。

ニーチェも他者を喜ばせることについてこのように述べています。

誰かを喜ばせることは、自分を喜びでいっぱいにする。

どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることができると、私たちの両手も心も喜びでいっぱいになるのだ。

(著書)曙光

①自己受容
②他者受容・他者信頼
③他者貢献

以上の3つのステップを満たすことで、
前述で述べた「共同体感覚」を得られるとアドラー心理学では説いています。

つまり、「自分の生きがい」を見つけることができるのです。

まとめ

・アドラー心理学では生きがい(人の幸せ)とは「共同体感覚」と説いている
・「共同体感覚」は①自己受容②他者信頼③他者貢献の3つができると得られる

一口に「生き甲斐」と言っても、
漠然としていて自分でもイマイチよく分からない時もありますよね。

ですがアドラー心理学では「生き甲斐」を3つの行程で、
ニーチェもこれにかなり近い自説を展開しています。

悩んだ時には過去の哲学者の言葉を借りて、
自分の人生・生き方を振り返ってみてはいかがでしょうか^^

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