日本人として、大切にしたい「おもてなし」の心。大切にしたいと思うのに、いざという時に正しいマナーがわからないことがありますよね。きちんとした来客を迎える時には、緊張することも多いでしょう。
先日、我が家で法事の準備をしている時に、姪っ子ちゃんに「そこに座布団を置いておいてね。」とお願いしました。意外に細かいことに気がつく姪っ子ちゃんは、「これ、ぽって置けばいいの?座布団って、表ある?」と。おー、いい質問ですね。こどもはお手伝いして、「おもてなし」を学んでいかなきゃね!
みなさん、座布団の裏表や置き方を知っていますか?おもてしないをする相手は、きっと座布団のマナーを知ってるはずです。お迎えする側が知らないと、せっかくのおもてなしの心が伝わりませんよ。
では、ここで復習しましょう!
座布団の向きと表裏は?
結論を先に言うと、座布団にはちゃんと向きも表裏もあります。そして、そこにはちゃんと意味まであります。
こういう「ふとした時に忘れがちなこと」は、その意味も一緒に覚えておくと、忘れませんよ。
【座布団の正面】
ただの四角い座布団。その正面を探すには、座布団の「輪」に注目してください。
座布団は、三辺が縫い合わせてあって、一辺は「輪」になっています。その「輪」が正面になります。
座布団にカバーをかけている家庭も多いでしょう。その時には、ファスナーが後ろ側になるはずです。
でも正式には、お客様にはカバーをかけていない座布団を出します。もし前日から用意ができるなら、カバーを外して汚れやほこりがないか確認しましょう。
【座布団の表】
本来はカバーなしで出すべきの座布団、表裏は裸の状態の座布団で判断するのが分かりやすいです。注目するのは、中央にあるしめ糸です。しめ糸の房があるものと、留め糸だけのものがあります。このしめ糸ある方が、座布団の表なのです。
両面使えるようにしめ糸がない座布団や、両面に房のある座布団もあります。そういう時には、きれいな面を表としたらいいでしょう。
座布団の向き・表裏の意味は?
座布団の正面の輪には、「縁を切らない」という意味があります。他の座布団の辺は、仕立てのために切ってありますよね。だから、「切らない」という意味につながるのです。
昔の座布団の表の真ん中、しめ糸のところには、房がついていました。この房は、「邪気や悪いものを払いのける」という意味があります。座布団の四隅の房も同じです。
このように邪気を払う房のようなものは、実は日本ではよく見られるものです。神社のいろいろな場所やものにも見られます。お神輿にも、いろいろなところに房がついているはずです。
座布団に座る人のマナーとは?
お迎えする大切なお客様は、座布団に座る時のマナーも心得ている方かも知れません。迎えるほうも、マナーは知っておきたいもの。
お客様には、「あらかじめ準備された座布団の位置を勝手に動かさない」というマナーがあります。
また、座布団に座る時も座布団から降りる時にも、「座布団を足で踏まない」ようにするのもマナーなのです。座布団には用意してくださる側のこころが込められているとされています。
だから、正式な座布団への座り方は、座布団の脇で一度膝をついて、膝から座布団に入って座るのです。降りる時には、一度立膝で脇に移動してから立ち上がります。
迎える方は、座布団の用意に心をこめるだけでなく、上座・下座を意識して、テーブルなど周りに置いているものと位置や距離を座りやすいに置くのが「おもてなし」なのです。
ちなみに、和室であれば上座は床の間のある方になるの忘れずに。マナーを知っている人は、部屋に通されたら、まずは床の間の絵・掛け軸や生け花・置物を見る方もいます。
まとめ
日本ならではのもてなしの心がありますは、大人が正しいマナーをちゃんと知ってていて、それを親から子へきちんと伝えてるのが大切ですね。
まとめると…
- 座布団の向きは、縫い合わせがない輪の辺が正面。
- 座布団の表は、真ん中に房やしめ糸がある面。
- 座布団の正面が輪なのは、「縁を切らない」の意味がある。
- 座布団の表の房には、邪気を払う意味がある。
- 座布団に座るマナーは、用意された座布団を勝手に移動させない、座布団を踏みつけないこと。
座布団ひとつにも、こんな意味がある日本のおもてなしの心は、世界に誇れるものではないでしょうか?
いつでも焦らずに気持ちよく、しっかりとお客様を迎えられるようになりましょう!