湿気がある所に、カビあり。海に囲まれた島国日本は、当然ながら湿気もたくさん。
皆さんカビには日々悪戦苦闘していると思います。
どこにでも出没するカビですが、羽毛布団も例外ではありません。あの黒い姿を見た瞬間の衝撃・・・。
一瞬どうしていいか分からなくなりますよね。捨てなきゃダメ !? いいえ!羽毛布団は救えます!
今回はその羽毛布団のカビについて、対処と予防方法を見ていきましょう。
目次
カビは羽毛布団が好き!?
小さい頃からずっと父に言われてきたのは、「本を読む前に手を洗いなさい。」でした。
「汚い手のまま本を触るとカビが生えるから」だそうです。
カビはどこにでも生えてくるんです。本当にどこでも!
実はカビは人類よりもずーっと前から存在する大先輩。
普段から空気中にいて、住みやすそうな場所を見つけては集まってきます。
カビが生えるのにも条件があるんですね。
カビの好きな条件
まずカビは酸素があれば どこでも生きられる可能性大。
カビの好きな条件は、お馴染みの湿気や栄養分と適度な温度ですね。
これがあればカビ王国は成り立つんです。
湿気
人間って寝ながらコップ1杯分の汗をかくって言うのは、結構知られていることですが、ちょっと実感ないですよね。
でも朝起きて喉が渇いてることから考えると、やはり水分が出ているのは確か。
また子供は大人以上に汗っかきで、冬の寒い日でも何だか暑そうにしているのが驚きです。
室内の湿気だけでなくて、寝ているだけでも人間から湿気って出るんですね。
更にお子さんのいるご家庭ではその湿気も倍のはず!
栄養分
カビのエサとなるものですが、「羽毛布団のどこにそんなものが !?」と思うでしょ?
体が触れている部分からもそうですが、汗からも人間のアカや皮脂、塩分がお布団にしみこみます。
これがカビの栄養分になるわけなんですね。
間接的といえ、こうやってエサを調達されてるって、ちょっと複雑な心境です・・・。
適温
カビが過ごしやすい気温が大体20~30度です。
布団って大体それ位の温度ですね・・・。
しかも起きてからしばらくしても、布団の中でこの温度が結構保たれるんです。
冬はここで、布団をたたもうか、また潜り込もうか悩むくらい、あのお布団の残り温度が心地いいんですよね。
ん?ひょっとしてカビって布団が好きなんじゃ・・・。
そうなんです。羽毛布団ってカビが生えるのに好条件なんです。
しかも新陳代謝も活発で汗っかきのお子さんがいるご家庭は尚更!
この条件でいくと、対カビ戦は1年中油断ができないことにもなりますね。
生えちゃったカビへの対処
カビへの対処はなるべく早目が決め手です。
健康への配慮もそうですが、生えてから間もないと除菌もしやすく、あの黒いシミも取り除ける可能性があります。
カバーのみのカビの場合
幸いカバーだけだった場合、酵素系漂白剤を使用すると除菌できます。
黒いシミが完全に消えるかは分かりませんが、カビは死滅させられるはずです。
酵素系漂白剤だと布の色落ちや劣化もなく洗ってくれるので安心して使えます。
でも広範囲に広がったカバーのカビに関しては、やはり処分してしまった方が無難かもしれません。
家庭でできる羽毛布団のカビ処理
カビを見ると「終わった感」が漂いますが、大丈夫!小さいものであれば家庭でもカビ処理は可能です!
ただ家庭での対処は、やはり手軽に済ませたいのが本音ですよね。
最近では部分的に使えるカビ取り剤も販売されており、そちらも効果があるようですが、今回私がオススメするのは、なるべく手間を省いた重曹水+消毒用エタノールです。
2つともドラッグストアーで手に入る上に、環境にも優しいので、お子さんやペットのいるご家庭に特にオススメです。
先攻は重曹で
重曹は料理だけでなく掃除にも利用されたりと、活躍の場が広がっている今日この頃です。
まずスプレータイプの重曹水を用意して下さい。
それをカビの部分に吹きかけ、2~3分待ちます。
重曹はカビの動きを抑えつつ、布地の汚れを浮かせます。
重曹は皮脂汚れに効くので、これでカビのエサになるものを絶つことにもなりますね。
そして重曹水で濡らしたスポンジの水気を取り、布団のカビ部分を拭いた後、一旦天日干しします。
後攻は消毒用エタノールで
そして今度は消毒用エタノールの出番です。
消毒用エタノールは、皆さんお馴染みの注射前のあのスースーする液体です。
これがカビの根絶に効果的なんですね。
エタノールには2種類あります。
1つは紹介した消毒用でもう1つは無水エタノールです。
無水エタノールはその名の通り、無水=水で薄められていないエタノールです。
こちらの方が効果ありそうなんですが、面白いことに水が入ってない場合、殺菌効果がないそうです。
ということで消毒用エタノールだと水で薄める手間が省けますよ。
こちらもスプレー容器に入れ、ひと吹き。
更に消毒用エタノールの滲みたティッシュで押さえて2~3分ほど待ちます。
後はまたしっかり天日干しです!
これで完了!
ただカビは退治できても、残念ながらあの黒いシミは残ってしまいます。
クリーニングへ出す
「自分で対処するのはやはり心配」という方は、プロにお任せするのが一番かもしれません。
お値段は少々高くなってしまうかもしれませんが、大切な羽毛布団をきっちり守ってくれますよ。
この時にもちょっと注意点があります。それはドライクリーニングを避けること!
恐らくクリーニング屋さんにお任せすれば大丈夫だと思いますが、念のため。
ドライクリーニングは、油脂汚れを落とすんです。
そうすると弱アルカリ性洗剤の時と同様、羽毛の脂分がとれてしまい、布団の質が下がる原因となってしまうわけです。
だからクリーニング屋さんで「羽毛布団の水洗い」と聞いても、驚かないでくださいね。
カビの予防と再発防止を心掛ける
カビはなるべく発生させないに越したことはありません。
また、例え生えてしまったカビを処置できたとしても、怖いのは気をつけなければ再発の可能性が高いことです。
それでは、カビが生えるのを防ぐにはどうしたらよいのでしょう。
湿気を取る
まず布団の湿気を取ることを考えましょう。
万年床を避け、それと同様のパイプベッドにも気をつけます。
フローリングに直に布団を敷く場合も、湿気の逃げ場がないので注意が必要です。
すのこベッドも良いですが、除湿シートなどを敷くととても効果的ですよ。
ちなみに私のオススメは「朝の布団めくり」です。
その名の通り、起きたらすぐに布団をたたまないで、掛け布団をめくりそのまま少し放置するんです。
友達のお母さんの方法なんですが、掛敷布団共に自分が触れていた面を冷やし、湿気を飛ばすことができます。
この時に部屋の換気ができれば◎。
起きてすぐにたたんだり、押入れにしまってしまうと、保温性の高い羽毛布団に体温が残り、カビの大好きな温度をしばらく保ってしまうことになります。後はカビパラダイスですね。
ちょっとした工夫なのですが、何だかさっぱりしますよ。
羽毛布団を天日干しに
忙しい平日は「朝の布団めくり」でいき、週末は布団を天日干しにする。
この2つで湿気対策をします。
天日干しの時は、なるべく布団カバーか天日干し用カバーを使用し、片面1時間ずつで終了して下さい。
干し過ぎも布団の劣化の元になるからです。
そしてできれば仕上げに布団用掃除機 (普通の掃除機でも可)で表面を吸います。これは天日干しで死滅したダニの亡骸を吸い込むことで、それを温床に発生するカビを防ぐためです。
これで羽毛布団使用中にカビが発生する可能性は絶たれます!
保管方法に気をつける
そして羽毛布団が役目を終える頃に、もう1つポイントがあります。
それが布団の押入れ管理方法です。
こちらは季節の変わり目に、羽毛布団を押入れにしまう時が勝負です。
押入れにしまう時には、すのこを敷きます。
布団はビニール製の袋に入れるよりも通気性のよい不織布製収納袋に入れましょう。
押入れの中に除湿剤も忘れずに。
こうすれば来年もカビのない羽毛布団が使えます!
カビは人間に悪影響を与える !?
カビと生活をするとどうなるのでしょう。
まずカビは、布団を傷め黒いシミになります。
でもそれだけじゃないんですよ!人間の健康にも影響を及ぼすんです。
カビは胞子等を飛ばしています。しかも隠れてこっそり・・・。
これがまた花粉より飛び散りやすいときた!
この小さな胞子がアトピーや蕁麻疹、鼻炎の原因になるんです。
いわゆるアレルギー性疾患ですね。
更には最近少し話題になった、気管支喘息や夏型過敏性肺炎がやはり体内に入ったこの胞子によるものだとか。
腐海 !?腐海は存在した!
しかもすごく身近に!
家の中だよ!布団だよ !!
本来ならば体に入ったカビの胞子は自然と退治されていくのですが、抵抗力の落ちている方や、お年寄り小さい子だと負けてしまうんですね。
また皮膚に付着すれば、皮膚病を患うこともあります。
無防備に眠っているうちに、私たちって随分危険にさらされているんですね。
目に見えないものだけに、想像するとちょっとゾッとします。
まとめ
羽毛布団にカビが生えてしまっても、対処する方法があります。
- 重曹水+消毒用エタノールを使ったカビ除去方法
- クリーニングに出す
またカビの予防と再発防止も重要です。
その方法は3つです。
- 日常生活の中で湿気を取る
- 天日干しをする
- 押入れでの管理方法
カビって油断すると、あっという間に繁殖しています。
確かに私たちはカビの生えやすい環境にいますが、日常のちょっとしたひと工夫で予防もできるんですね。
それから、羽毛布団をコインランドリーで洗う方法もあります!
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