お肉を買ったら、発泡スチロールのトレーを取り払って、ラップに包んで冷凍庫にポイ。
それが私のセオリーでした。
でも、鶏胸肉にはそれが通用しなかった……。
実は、鶏胸肉は、お肉の中でも最難関と言える、ホームフリージングに不向きなお肉だったのです。
同じ失敗をした方は多いはず。鶏胸肉の冷凍保存のやり方を、まとめました。
目次
解凍したら、ビショビショ。
冷凍した鶏胸肉を、そのまま室温に出して解凍したら、大量のドリップが出てビショビショになってしまいました。
そりゃあ、室温解凍はあんまり良くない、とは聞きますけど、これはあんまりじゃないですか?という量でした。
鶏胸肉は水分量が多く、保水力は弱いので、他のお肉よりもドリップが出やすいそうです。
まず、ドリップ漏れを防ぐために、袋に密封して保存するのが一番です。
できるだけドリップを少なくしよう。
ドリップと一緒に、お肉の栄養が一緒に流れ出てしまいます。鶏胸肉はドリップが多いので、ことさらもったいないです。
せめて少しでもドリップを少なくして、栄養のロスを防ぎたいですね。
ドリップの原因は、緩慢冷凍。
お肉の中で、氷の結晶がゆっくり育ってしまうと、お肉の細胞壁が破裂してしまい、その中の栄養が流れ出てしまうのです。
それを防ぐために、できる限りの急速冷凍をしましょう。
小分けにして冷凍する。
塊で買ってきた鶏胸肉でも、切り分けてから冷凍しましょう。
鶏胸肉は加熱するほど硬く仕上がってしまうので、軟らかく料理するためにも、小さく切っておくのは重要です。
また、おにぎりのように丸めるのではなく、平らに広げて冷凍しましょう。
金属トレーに乗せて、効率よく冷気を伝える。
空気やプラスチックよりも熱伝導の良い、金属製のトレーに乗せると、冷凍速度がアップします。
金属製なら、ステンレスでもアルミでも、なんでもOKです。
夏場は予冷する
例年の「異常気象」で、最高気温が35℃を越えることもザラになりましたね。
そんな日のホームフリージングでは、気温の高さもバカにできません。
スーパーからの帰り道や、お肉を切り分ける間に、お肉はどんどんぬるくなっていきます。
いきなり冷凍庫に突っ込むのではなく、冷蔵庫で30分~1時間、冷やしてあげましょう。
ぬるいものを冷凍庫に入れると、既に冷やされている他の冷凍品もダメージを受けるので、鶏胸肉以外のものにも、おすすめです。
冷蔵庫の性能を考える。
最近の冷蔵庫には、「急速冷凍庫付き」「パーシャルフリージング」なんて、高性能なものもあります。
鶏胸肉こそ、その機能を利用すべき食材です。
ちなみに、「パーシャルフリージング」とは、食品が凍るか凍らないかのギリギリで保存すること。氷の結晶が育たないので、ドリップが出ないけれど、冷蔵よりずっと日持ちする、というわけです。解凍の手間が要らないのも魅力ですね。
また、一つの冷凍室でも、棚の上段は野菜に最適、右側はご飯の冷凍用、と温度に差がある場合があります。
ちゃんと最適な棚に収納しているか、冷蔵庫の取扱説明書をチェックしてみましょう。
解凍方法にも気を付ける
冷凍するときに気をつけても、解凍方法がおざなりだと、台無しです。
基本は、冷蔵庫で一晩かけて解凍すること。
急ぎたい場合は、水を張ったボウルに、鶏胸肉を袋ごと入れて、流水をチョロチョロと掛け流すのがおすすめ。ボウルの大きさは、食材がひたひたに浸かるくらいのものが必要です。
鶏胸肉を冷凍する時はひと手間加えよう!
水50cc、重層小さじ1/2、砂糖小さじ1/2、塩小さじ1/4を混ぜて溶かし、鶏胸肉と共に、袋に入れて空気を抜いて冷凍。
するとあら不思議、鶏胸肉が軟らかくなるんです。
調理の際には、キッチンペーパーで水分を拭き取ってからご利用ください。
「冷凍鶏胸肉」を買う
通販や業務スーパーなどで、「もう冷凍してある鶏胸肉」をまとめ買いするのも、一つの手段です。
家庭用冷蔵庫の冷凍室は、-18℃までしか冷やせないのですが、「冷凍食品」として販売されている食品は、-30℃以下まで冷やせる、業務用冷凍庫で冷凍してくれてあります。(食品衛生法により定められています)
つまり、ホームフリージングよりも断然、急速冷凍してあるんです。
身も蓋もない言い方ですが……冷凍にコツが要る鶏胸肉は、冷凍品を買うのが一番確実です。
ボディビルのために大量に食べるタイプなら、一考の価値あり。
まとめ
- 鶏胸肉は難敵と心得よ。
- 塊肉でも切り分けて、小分け冷凍する。
- その冷やし方で合ってる? 冷蔵庫の性能を確認せよ。
- 解凍方法にも気を使うこと。冷蔵庫で一晩かけよう。