米とぎはお湯でやってはいけない!?食感や風味が落ちる理由とは

日本人なら、ふっくらもっちり炊き立てのご飯は毎日の食卓に欠かせないことでしょう。

でも正直なところ、冷たい水でお米を研ぐのって辛い時がありますよね。

そんな時、水の代わりにお湯で研いでもいいのでしょうか?

今回は、お米をお湯で研いでよいのか?という素朴な疑問について解説します。

お米をお湯で研ぐのはダメ!浸すのもNG!

結論から言うと、お米をお湯で研ぐのはNGです。

炊き上がったごはんの味や風味が落ちるので、おすすめできません。

お米を研ぐ流れは、①お米を洗う②お米を水に漬ける ですが、どちらにもお湯を使ってはいけません。

お湯で米を研ぐと、糠の匂いのするご飯に

お米を研ぐのは、お米の表面についている糠を洗い流すためにします。

よく、「お米を研ぐときは、1回目は軽く素早く洗い流すように」といいますね。

一度といだ水がお米にもどって吸水されてしまわないよう、ほんのササッと6秒くらいでよいそうです。

糖は水に溶けやすい性質なので、お米の表面を軽く洗い流したら1回目の水は素早く捨てます。

ここで冷水ではなくお湯を使うと、とぎ汁に溶けだした糠がお米に戻りやすくなってしまいます。

こうして炊いたご飯は、糠臭い風味のご飯になってしまうというわけです(泣)

お米を研ぐ際、冷水より、お湯の方がお米の表面が水分の浸透が早く、吸水スピードが増します。

そのため、糠の溶けだした水もお米に戻るスピードが速いので、その分糠臭がつきやすくなるというわけです。

お米を研ぐときは、冷水で、素早く!がポイントです。(研ぎすぎは、胚芽も除かれて栄養価を落とすので注意)

食感と風味も変わっちゃう?

さらにお湯でお米を研ぐと、お米に水分が浸透するスピードも速くなります。

冷たい水で研ぐ理由は水につけた直後のお米の給水率を下げる為です。

お米は水につけた直後、急激に表面は水を吸いますが、中心まで水を吸うのには時間がかかります。

この時間と、炊き始めから沸点に達するまでの温度差が重要!

温度差はあればある程、炊き上がりのごはんがもっちり美味しくなるといわれます。

炊くときの水は常温でもよいですが、できるだけ冷たい水を使うとおいしさUP!

時間と温度と水分がバランスよく作用して、でんぷんがあのお米の甘さに変身します。

お湯で炊いたご飯は表面はベチャッとしているのに中心に芯が残ってしまうことがあります。

吸水スピード表面が一気に水分を吸い中心より外側がふやけてしまうためです。

お湯で研いだお米の味はどう変わるの?

お米は炭水化物。私たちにとって大事なエネルギー源ですが、その成分はでんぷん。

でんぷんはブドウ糖が合体したものです。

そのブドウ糖を分解する酵素(アミラーゼ)を米は最初から持っています。

しかしお湯の温度でお米を研ぐと、その温度の影響で研いでいるときにアミラーゼが生成されるため、米のデンプンを糖に分解しはじめてしまいます。

すると、できた糖が研いだりすすぐ水で流れ出てしまいます。

ご飯の美味しさの元である糖分が抜けてしまい、炊き上がりも甘みの少ないご飯になります。

一方、お湯ではなく水でお米を研いだ場合、はじめにアミラーゼは生成されず、加熱されるまでデンプンが糖への分解を始めません。

炊飯器の中でゆっくり水の温度が温まる事になるため、お米のデンプンを糖に分解する時間が長くなり、ご飯の甘味・風味が高まります。

結果、炊き上がったとき甘みが閉じ込められたおいしいご飯になります!

水が冷たい時は便利な道具を使うのもあり!

私は、手荒れがひどいので、手でお米を研ぐことはできません。

(本来、米の糠は美容効果もあるくらい、肌にいいのですが・・)

炊事用の手袋や、使い捨てのポリエチレンの手袋なども使用してみましたが、現在は、穴あきの木べらを使って、優しく研ぐようにしています。

お米も割れにくく、寒いときもこれなら楽ちんなのでおすすめです。

米とぎ用の専用の器具も販売されているようですので、利用してみてはいかがでしょうか?

泡だて器での洗米はダメでした。

泡だて器でお米を研ぐと、お米の粒が欠けたり壊れてしまって美味しく炊けませんので、避けてくださいね。

まとめ

  1. お米はお湯で研ぐのはNG。水を使おう!
  2. お湯を使うと、ご飯が糠臭くなる。
  3. お湯を使うと、ご飯の食感がかわる。
  4. お湯を使うと、味が甘みの少ないご飯になりがち。
  5. お水で研ぐために、お米とぎの道具を工夫しよう!

これで、冷たい水でお米を研いだほうがよい、という説に納得できました。

ちょっと工夫して、寒い日でもほかほかのおいしいご飯を、家族みんなで食べましょう!

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