瞬間的に乾き、強力さで知られる、アロンアルファ。
模型作りや、DIYや、釣り道具の整備によく使われています。
そのお手軽さと高性能さ故に、「間違えてアロンアルファが付いてしまった」という悲劇が後を絶ちません。
特に厄介なのが、プラスチック製品に付いてしまった場合です。
プラスチックとアロンアルファの相性は最悪。はがしにくいばかりか、プラスチックを白く変色させてしまうことも多いのです。
この悲劇に立ち向かうには、一体どうすればいいのでしょうか?
プラスチックの素材をチェック
まずは、プラスチック製品の素材をチェック。
一口にプラスチックと言っても、その性能は様々です。
専用のはがし剤の影響を受けやすいもの、受けにくいものを判別して、適切な処置をとりましょう。
はがし剤の影響を受けやすい素材は、表面が白く変色してしまったり、
溶けてしまったりして、「これならアロンアルファが付いたままの方がマシだった!」という結果になってしまいます。
参考までに、いくつかのプラスチック素材を、専用のはがし剤が使える・使えないものに分類してみました。
・専用のはがし剤が使えるもの
HDPE(高密度ポリエチレン)
LDPE(低密度ポリエチレン)
PP(ポリプロピレン)
AS(エーエス樹脂)
PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)
・専用のはがし剤は向かないもの
PS(ポリスチレン)
ABS(エービーエス樹脂)
PMMA(アクリル樹脂)
PVC(ポリ塩化ビニル)
ポリスチレン(スチロール樹脂)
ポリウレタン
上記の中に名前が無い素材は、ネットで検索して調べてみて下さい。
工業向けの情報サイト、プラスチック製品工場、ウィキペディアに、
素材の特性を解説するページを発見できるかもしれません。
その中で、「特長・短所・耐性」のキーワードに注目して、説明を読んでみましょう。
「有機溶剤に耐性がある」の文言があれば、たぶん、専用のはがし剤が使えます。
どうしても情報が見つからなければ、一か八かで試してみるか、他のはがし方で頑張るのをおすすめします。
専用のはがし剤ではがす
アロンアルファ製造元の東亞合成から、専用のはがし剤が販売されています。
ネット通販、お近くのホームセンターなどで手に入ります。
わざわざ専用のはがし剤を買うのは、面倒くさい……という場合は、
シンナーや除光液でも代用できます。
ただし、専用のはがし剤とは違い、プラスチックに使用することを想定した調整がなされていません。
薬剤が濃すぎて、プラスチックが溶けてしまう場合が多いです。
シンナーではがす場合のやり方をご説明します。
- 接着剤の上に、シンナーを少量塗りつける。
- 2~3分待つ。
- ガーゼなどで拭き取る。
- 1~3の手順を何度も繰り返す。
熱でふやかしてはがす
はがしたいもの全体をお湯に浸けて温め、接着剤がふやけてきたら、少しずつはがします。
お湯の温度は、耐熱性のあるプラスチック製品なら、なるべく熱い方が良いでしょう。
耐熱性がどのくらいか分からないときは、40℃くらいのお湯にしておくのが安心です。
大変に時間がかかるので、根気良く行いましょう。
力技ではがす
接着剤の塊を、物理的にはがす方法です。
キスチョコ状態に付着している場合、まずはナイフなどで削り取ります。
次に、目の粗いサンドペーパーで残りを削っていきます。仕上げに、目の細かいサンドペーパーで表面を整えましょう。
接着剤の周りも、一緒に削ってしまう危険があるので、養生テープなどで保護すると良いでしょう。
専用のはがし剤を使う方法も、熱でふやかす方法も、
「接着剤が表面に付いているだけ」の状態であることが前提です。
すでにくっついたもの同士をはがしたい場合、
なんとかなる可能性があるとしたら、力技ではがすのが一番、希望があるのではないでしょうか。
接着したもの同士に隙間があれば、糸のこを差し込んで、接着剤を削り切るのが最も手っ取り早いでしょう。
また、アロンアルファは本来、プラスチックにくっつくのは不得意なのだそうです。
付着してしまったものが、プラスチック専用のアロンアルファでないなら、
単純に引っ張るだけでも、引きはがせる可能性もあります。
まとめ
・まず、プラスチック素材の種類を確認し、その素材が有機溶剤に耐性があるか調べる。
・有機溶剤に耐性がある素材なら、専用のはがし剤ではがす。
・有機溶剤に耐性が無い素材は、お湯でふやかしてはがすか、紙やすり等で削り取る。
・プラスチック同士をピッタリ接着してしまったものは、はがし剤もお湯でふやかすのも難しい。