お恥ずかしい話ですが、普段から漢字の読み間違いや似てる言葉を勘違いすることが多い私…。かつては、「神々しい」をそのまま「かみがみしい」と読み、「日頃より一方ならぬご愛顧を…」みたいな常套句の「ひとかたならぬ」を「いっぽうならぬ」と読み、「いっぽうはどっち?」と平然と聞いたことも。
そんな私もうっかり?だいぶオトナになったので、ここしばらくは読み間違いなどをしていなかったのですが、先日やってしまいました。
「完璧に美味しそうなお肉たち…触手が動く」とSNSに投稿しちゃっいました。
みなさん、何が間違いかわかりますか? 私の場合は、軽く変換間違いとか入力間違ったのではなく、完全に間違っていました。コメントで友人たちにかなりツッコまれたんですが、なんと同じ勘違いをしていた人もいた!
何が違って、何が正しいか、意味などなど、2度と間違わないようにココで解説します。
目次
この場合、動くのは“触手”ではない件
私は、「これ食べたいよー。」という意味を伝えたかったのです。
そういうケースで「動く」のは、正しくは「食指(しょくし)」なんですね。
「食指(しょくし)」と「触手(しょくしゅ)」。似てるでしょ?
どうも、会話で使う分には正確な聞き分けをしていなく、しかも今まで聞き分けて指摘してくれる人にも合わない人生だったようで、私はずーっと「食べたくなる」の意味で「触手が動く」という間違いをしていました。
「食指が動く」の正しい意味も私には新しかった件
「食指が動く」の正しい意味は、「あるものに興味がわくこと、欲をもつこと」で何かをしたいとか何かがほしいという気になることなのです。対象のものが食べ物でなくても使える表現なのです。
故事から転じた表現で、もともとは食欲がそそられるときに使われたそうですが、それが転じての今の広い意味があるのが、「食指が動く」なんです。
ちなみに、「食指が動く」の表現の出元である故事の中で、人差し指が動いたのを美味しいものにありつける前兆と言い、それがもとになっているので、「食指」は人差し指のコトらしいです。
「触手」は「動く」のか? 「伸びる」のか?
そして、次にコメント欄で盛り上がったのが、私が誤用した「触手」について。
「触手が伸びる」ことがあっても、「触手が動く」ことはないとの意見が大半だったのですが、教師をしているN君が発言。「一般的には「触手が伸びる」の使い方が正しいというけど、「触手が動く」も辞書に載ってます。しかも、かの広辞苑です。」と。
食指と触手を勘違いしていた私にはピンとこない論議ですが、広辞苑に載っているなら、「触手が動く」も正しい日本語なんでしょ。としか思えないのですが、動くか伸びるか問題は引き続き盛り上がっていたのでした。
意味で「触手が動く」と「触手が伸びる」は微妙に違う件
さっそく辞書で調べてくれた人がいました。意味に微妙に違いがある!
触手が動く…野心を持ち、何かに働きかけようとする気持ちが起こる。(出典:広辞苑)
触手が伸びる…野心をいだいて徐々に行動にうつす。(出典:広辞苑)
ちなみに、小学館の日本国語大辞典にも「触手が動く」が載っていたのです。
触手が動く…ある物事に働きかけようとする気持ちがおこる。野心がおこる。
触手が「動く」のは、気持ちが起こる=野心が起こるだけのようですが、「伸びる」となると、実際にもう野心の達成に向けて動いている感じですね。
「触手が動く」もすでに正しい日本語だった件
というわけで、意味において、私は確かに「触手が動く」を誤用していましたが、日本語としては存在を確認できた表現。
もしも私が美味しそうなお肉を見た時に、「これ、ビジネスになるんじゃない?」と思っていたとしたら、「触手が動く」でも間違いではなかったことになります。
なんだか、おもしろい!
日本語だけでなく、言語は時代に合わせて変化するとはよくいうものですが、世間の大方の誤解から言葉が変わったんでしょうね。
まとめ
私の“健忘録”としてココに書きました、忘れないように。
実は、正しくは“備忘録”といいます。“健忘録”は国語辞典には載っていない、みんなが作り出した造語ですよ。くーっ、日本語は難しいですね。
まとめてみると…
・「食指が動く」の正しい意味は、「あるものに興味がわくこと、欲をもつこと」
→必ずしも食欲だけに限定して使われる表現ではない
・「触手が動く」も日本語として存在
・微妙に意味が違う「触手が動く」と「触手が伸びる」(出典:広辞苑)
触手が動く…野心を持ち、何かに働きかけようとする気持ちが起る。
触手が伸びる…野心をいだいて徐々に行動にうつす。
SNS上の間違いから、思わぬところで日本語を学習をしました。気がつかないだけで、他にもたくさんありそうですね、こういう言葉。日本語っておもしろいけど、複雑!