入社式に親同伴って本当?過保護すぎない!? その真相に迫る!

 

 

入学式・入社式で新たな門出に立つ若い方もたくさんいることでしょう。
特に新社会人として、入社式は人生の大きな起点ですよね。

しかし、最近は社会人としての第一歩目である入社式に親同伴で参加する方も増えています。

社会人として自立するための入社式に親同伴とは・・・?
批判的な意見も多々ありますが、
そこには子供・親・企業の立場それぞれの事情と思惑があるようです。

それは一体なんなのでしょうか?

親の事情

なぜ子供の自立の一歩である入社式に自分もついて行くのか?
その理由はそれぞれの親の考えによってさまざまです。

●子供を常に自分のコントロール下に置きたい親
子供は常に自分の支配下に置きたい、何事も自分の思い通りじゃないと気が済まないという親がいます。
アメリカではこのような親のことをモンスターペアレンツならぬ「ヘリコプターペアレンツ」と呼んでいます。
子供を操作する・どこでもついていくという意味合いを込めた皮肉です。
中には就活の段階で、親の都合で子供の内定を辞退するなんてケースも多々あるようです。
入社式に出席することで子供が自立する傾向を阻止しようとする思惑があるのかもしれません。

●単に子離れが出来ない・子供が心配な親
大きくなったとしても私にとってはかわいい子・・・。
どんな会社で働くのか気になる・・・。という過保護目線で入社式に参加する例です。
(裏を返せば支配欲とあまり変わりませんが・・・)
しかし昨今では企業のブラック経営による過労や、自ら命を絶つという理由で子供を無くしている親も多々います。
電通での過労死事件がメディアで大きく取りざたされ、会社によって子供が散々な目にあった親御さんの心の葛藤についても広くテレビで放送されました。
苦労して育てたわが子が会社に潰されないためにも、会社の下見・会社への牽制の意味を込めて入社式に参加している方もいらっしゃるのかもしれません。

●子供が一流企業に採用されたという自慢
自分の子供が超一流の大手企業に就職できた場合、「私が育てた」という自慢の気持ちで入社式についていく親の例。
企業ではありませんが、東大の入学式は生徒より親の方が多いという口コミを見たことがあります。
今はインスタグラムやfacebookなどのSNSも盛んですから、一流の場所に行けた自分の子供と、会社名の看板等と一緒に写る自分の写真を撮りたいという承認欲求高めの親もいるのかもしれません。

●企業から招待された
上記の親のエゴや承認欲求的なものとは違い、
入社式に企業から招待されて渋々同行というパターンもあります。
最近では入社式での親の出欠を伺う企業の案内も来るらしいです。
「入社式まで行くなんて・・・」と案内を見て困惑する親も多いそう。
中には保護者同伴前提の「企業説明会(懇親会)」等を開催する企業もあるぐらいです。
なぜ企業側がわざわざ親を招待するのか、それにはまた別の理由があります。

企業の事情

前述でわざわざ親を入社式に招待する企業も多いと書きました。
その理由とはなんなのでしょうか?

●新入社員の早期退社を防ぐため
昨今は終身雇用の概念も失われつつあり、社員が辞めたいと思ったら辞められてしまう時代・・・。
人手不足であえぐ中、新人の早期退職は避けたいところ。
親御さんにも入社式に来てもらい、会社の概要や方針を伝えることで子供の発言をうのみにさせずに、尚且つ家でのサポートも促せるというメリットがあります。
近頃は入社して1か月経たないうちに辞めてしまう人も珍しくないため、人員の確保を優先するために親に来てもらい子供に「辞めにくい状況」を作りたいようです。
実際、人事の人に話を聞くと入社式に親が来た社員は辞めにくいという経験則があるとのこと。

●親に来てもらうことで親自身に責任のプレッシャーをかける
これは上記の早期退社を防ぐという面目とほぼ同じですが、
親を招待することで子供が会社で非常識的な行動をしないように親にプレッシャーをかけられるという意味合いもあるようです。
20歳を超えて親の監督責任を問うのはどうかと思いますが、凶悪事件を起こした犯人の親族への過度なバッシングなど、連帯責任の色が強い日本の価値観ならではかもしれませんね・・・。

●クレームが多いのであえて招待している
入社式の時期になると会社に「入社式に同行できないのか」という親からのクレームの電話が多いらしいです。
業務に関係のない電話対応は会社にとっては無駄なことでしかないので、
そのクレーム電話を無くすために前もって招待したり、出欠を伺うようにしたとの話もあります。

 

親が入社式に同行することで、企業にとってメリットがあることも分かりました。
しかし当然のことながら、全ての企業がこのような考えではありません。
親が入社式に同行することで会社の先輩や上司・同僚に「いい年になって自立できない人」「自分の考えがない」等マイナスな評価をされることもあります。
実際、とある企業の社長さんの話によると「ウチの社内での話だが、平均的に入社式に親が来る人は自己主張が弱く仕事ができない場合が多い」という印象を持っているようです。

子供(新社会人)の気持ち

入社式についてくる親について新社会人である子供たちはどう思っているのでしょうか?

●過保護な親がうざい・自立したい
過保護な親に嫌気がさし、会社の人に悪く思われるのが嫌だから来ないでほしいと思っている。
まぁ当然の反応ですよね。

●親に見届けてほしい・感謝の気持ちを込めて
今まで応援し育ててくれた親に自分が自立するという晴れの舞台を見てほしいという人もいます。
素敵な親孝行心ですね。
個人的には来てもらうとしても大学の卒業式にとどめて初任給でプレゼントを贈るで十分だと思いますが・・・。

●自分では何も出来ないので来てくれると助かる・親離れできない
本当に自分では何を着て行けばいいのかも分からず、親にいろいろ助けてもらっている人もいるようです。
一人で行くのが不安で親についてきてほしいとお願いする人も・・・。
余談ですが筆者はこの前ネットの某相談サイトで「息子が入社式に和服を着て行きたいと言っているのですが式典では袴をはかなくてはいけないのでしょうか・・・」という親からの相談があり驚きました。
入社式の新入社員の服装は一般的にはスーツが妥当で、入社式に和服なんて呉服屋や経営者ではない限りありえませんよね。
よっぽど常識を壊したいファンキーな思想の持ち主なのか、世間の常識をまるで分っていないのか、この親にしてこの子ありですが、このように親がいないと社会では何もできない人も少なからずいるようです。

 まとめ

「入社式に親同伴」

パッと見「うわぁ・・・」と引いてしまいがちな事象ですが、
深く調べてみると様々な立場の思惑があることが分かりました。

入社式の時期に電車でスーツ姿の若者と親らしき人を見かけても、
「いろいろと事情があるのかもしれない」とあたたかい目で見守ってあげましょう・・・。

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