PCを使うのが仕事の中心になったとはいえ、オフィスでは印鑑を押さなければいけないことが結構あります。印鑑には朱肉を使いますが、この朱肉ってやっかいですよね。
なかなか落ちない! 印鑑を落とした拍子に朱肉がちょっとだけ書類について汚れになってしまったり、印鑑が転がって服が汚れたり…。
押印は、海外のサインと同じで大切なものだからこそ、朱肉は落ちないようにできているのです。でも、落としたい…完璧に落としたいけど、無理なら少しでも落とす方法ってないのかしら?
そこで、今回はそんなやっかいな朱肉を落とす方法をご紹介します。
朱肉の特徴
朱肉のインクは、植物性油や液状樹脂類からベースになる油を作り、そこに朱色の顔料や防腐剤を混ぜて作られています。
一般的なスタンプ台は、ほとんど油を含んでいません。油は、ゴム印のゴムにダメージを与えるからです。また、油が入っていないスタンプ台は乾きやすいですが、朱肉はなかなか乾ききることはありません。
朱肉に使われる顔料は、プリンターのインク、塗料、化粧品、食品、衣類など色付けに使う粉末で、基本的に水や油に不溶のものとされています。朱肉の場合には、朱色の顔料が使われているというわけです。
書類、紙の朱肉を落とす方法はある?
結論から先に言うと、完全に朱肉を落とすのは不可能です。でも、汚れ程度の小さな朱肉のシミであれば、かなり薄くすることはできます。
ただし、液体を使うので、紙が薄い場合には破けてしまう危険性がありますし、液体の性質で紙が変質してしまうおそれがあります。
試す前に、その書類の重要性をよ~く考えてみてくださいね。
【準備するもの】
- ハンカチなどの薄手の布
- ベンジン、アセトン、除光液のいずれか
- コットン数枚
【手順】
- 薄手の布を敷いて、朱肉が付いてしまった紙を上におきます。
- コットンに用意した液体を含ませて、朱肉の部分を優しくたたきます。
- いくらか朱肉が薄まったら、新しいコットンに替えて同じことを繰り返します。
“紙の繊維の間に入ってしまった油をたたき出し、その時に少しでも顔料が出てきたら一緒に取り除く”との作業になります。顔料がすでに紙の繊維を染めてしまっていれば、服の色が落ちないのと一緒で、一度しみ込んでしまった顔料自体を落とすのは難しいのです。
しかし、紙の余白などの汚れを落とすには、有効な手段でしょう。
服についてしまった朱肉を落とす方法は?
服についた朱肉の汚れは、紙についたものよりも落とせる可能性が高いです。ついてすぐに対処したら、だいたい落ちますよ。
【準備するもの】
- クレンジングオイル、ない場合には除光液 ※アセテート、トリアセテートは、除光液だと繊維を傷めるので使用厳禁です。
- いらない歯ブラシ
【手順】
- 汚れのついた服の目立たないところで、クレンジングオイルで色落ちがないか試してみます。
- 大丈夫だったら、クレンジングオイルを歯ブラシにつけて、朱肉の汚れを優しくたたきます。
- それで朱肉汚れがとれない時には、台所洗剤をつけ、手で部分もみ洗いします。
- 朱肉汚れがとれたら、水で簡単にすすぎます。
- その後、いつものように洗濯します。
それでも落ちないときには、クリーニング屋さんに相談してみてください。
印鑑についた朱肉の汚れも落としましょう!
印鑑は、使った後にティッシュなどで拭いた時のかすや朱肉の毛羽立ちの繊維などで、意外と汚れているものです。このゴミが印鑑を押した後にこれが紙に残って、汚れの原因になることもあります。
一般的には、歯ブラシなどの柔らかい毛で掃除しますが、仕事中のオフィスには歯ブラシなんてありませんよね? そんな時には、「輪ゴム」を使うのがおすすめです。輪ゴムならオフィスにありますよね。
人差し指と中指に通して、数回巻き付け、その面でふき取ればいいだけです。おもわぬ汚れがポロポロ落ちますよ。
まとめ
落ちにくい朱肉ですが、なんとかできるといいですよね。
紙についた朱肉で、厚紙・あまり大切な書類ではないのであれば、砂消しで削り取るという少々荒い方法もあります。
まとめると…
- 朱肉は、油がベースで朱色の顔料でできており、基本的に“落ちないように”作られている。
- 紙や書類の朱肉は、完全に落とすのは不可能。
- 紙についた朱肉の色を薄くするには、ベンジン、アセトン、除光液のいずれかでたたき出す。
- 服についた朱肉は、落とすことが可能。クレンジングオイルか除光液でたたき出す。
- それがダメなら、台所洗剤を使う。
- 印鑑は輪ゴムでこするとキレイになる。
覚えておくと便利な技ですが、書類の印鑑の朱肉を完全に落としたいというと、悪いことをすると勘違いされかねないので気をつけましょう! 冗談のようですが、ほんとにそう思う人いますよ。