本を買って読んだ後、気に入ったものは、どうしていますか?
手元に置いておきたいと思ったら、机のブックスタンドや、本棚に立てて保管しておきますよね。
しかし新品で白かったはずの紙に、日焼けができることがあります。
周囲が黄ばんだ紙を見たとき、気に入っていた本ほどショックが大きいです。
そもそも紙は何で、焼けると黄色くなるのでしょうか?
理由が分かれば、防いだり直したりすることもできます。
今日はその、とっておきの方法を紹介します。
なぜ紙は日焼けする?
本に使われる紙は製造過程で、化学薬品も使われています。
紙に含まれる成分は、紫外線と酸素に触れ、高い湿度や気温にさらされると化学変化を起こし、違う成分に変化してしまうことがあります。
これが紙の黄ばみの原因です。さらに進むと茶色くなっていきます。この状態をヤケと呼びます。
また、空気に触れている縁以外の場所に、点のように黄ばみが出ることもあります。これは虫や食物などの付着が原因なので、清潔に保つ必要もあります。
紫外線は日光にも含まれていますが、実は家の中の蛍光灯からも放射されています。
まず紙をヤケから守るためには、紫外線を避ける必要があります。
いくつか方法があるのでご紹介しましょう。
まず直射日光を避ける
まず太陽は当たれば当たるほど日焼けの一番の原因になるので、窓からはできるだけ遠ざけておきます。
本棚にカーテンを付けるのも手です。他には蓋つきの箱にしまって、湿気防止に乾燥材や紙の緩衝材を入れておくと、安心ですね。
本をたまに開いて、湿気を抜くのも忘れずに。
また本屋で単行本や文庫本を購入した際に、店員からブックカバーを付けることを提案されることがありますよね。
あれをやってもらうと、店で紙のブックカバーを巻いてくれます。
このブックカバーを付けたまま保管すると、表紙の日焼け防止にもなっておすすめです。
大事な本でしたら、やっておくと安心ですね。
蛍光灯を避ける
日光を避けるより、蛍光灯を避ける方が難しいですが、方法はあります。
蛍光灯に代わってLEDライトを導入すると、紫外線がかなり減ります。
本の保管場所だけでもライトを交換しておけば、経年劣化を抑えることができます。
できれば家じゅうやってしまうと、読書中も安心ですね。
また蛍光灯を避けるなら、こちらも本棚にカーテンを付けたり、ブックカバーを付けて保管すると良いです。
さらにここでも蓋つきの箱に保管して、乾燥材や紙の緩衝材を入れておけば安心です。ただやはり、本をたまに開いて湿気抜きをしましょう。
過剰な湿気を避け、清潔を保つ
まず水気は紙にとって天敵です。波打ちや黴などの劣化の原因になります。
かといって湿気のなさすぎる部屋は、本やページの湾曲の原因にもなるので、やや低めの湿度が理想です。
湿度50%前後ほどの、人間が蒸し暑さを感じない環境が理想です。
酸素に触れても、紫外線や湿気を減らせば、劣化はかなり抑えられます。
また、保管するときに食物がついていないか、ほこりがつもっていないか時折確認すると、害虫の被害も避けられます。
それでも縁が黄ばんだら紙やすりで直せる
かなり気を付けていても、空気には触れているので徐々にですが、ヤケは進みます。
そうしたとき中古書店では、本の縁を研磨する専用機械が使われます。
個人では、100円ショップやホームセンターで手に入る、紙やすりでそれに近い手入れができますので、ご紹介します。
必要なものは、紙やすりと四角い消しゴムとマスクです。
紙やすりはできるだけ、目が細かいものを選びましょう。マスクはくしゃみ防止なので、身の周りにあるもので十分です。
方法は簡単で、まずは飛散した紙を吸わないようマスクをして、
紙やすりを四角い消しゴムに巻き、黄ばんだ紙の縁を、ほんの少しずつこすっていくだけです。
消しゴムは消しゴムとして使うのではなく、紙やすりの土台になります。手に持てる四角いもので表面が平らなら、消しゴムではないものでも大丈夫です。
力をあまり入れず、紙やすりの平らな面を使って、平らになるように平等に削ります。
紙の繊維の方向に逆らわずにやると、紙を傷つけたり皺にしにくいです。
数回やっていくと表面の黄ばんだ紙の下から、新しい白い面が出てきます。
完全に黄ばみを取ることはできなくても、色を薄めることはできるので、少しずつ焦らずに、試してみてください。
まとめ
1.なぜ紙は日焼けする? 紙の成分が、紫外線や酸素や湿度や温度で変化するのが原因。
2.まず直射日光を避けるため、カーテンやブックカバーや蓋つきの箱を利用する。
3.蛍光灯を避けると紫外線がさらに防げるので、LEDに取り換えたり、日光同様に遮る。
4.過剰な湿気を避け、清潔を保つと、より本の保存に良く、害虫も防げる。
5.それでも縁が黄ばんだら紙やすりで直せるので、様子を見ながらほんの少しずつ縁を削る。
放っておけば劣化してしまう本も、方法が分かれば劣化を遅らせたり、甦らせたりすることができます。
工夫してきれいに保管しながら、気持ちよく読書を楽しみたいですね。