一部の人たちの間では、日常的に使われているかも知れませんが、一般的には「ごきげんよう」の挨拶は、あまり使いませんよね?私はそう認識しています。言われたら、なんというか…むずむずする言葉です。笑
最近習い始めた茶道の先生の挨拶が、かならず「ごきげんよう」ととっても柔らかい笑顔でおっしゃってくださいます。初めは「ごきげんよう」と言われて、なんと返していいかわからなかった私…。
「ごきげんよう」と言われて、思わず「ごきげんよう」言ってしまいましたが、後になって「…よう」で終わってる言葉だけど、もう少し丁寧な言い方とかあるのかしら?と心配になってしまいました。
っていうか、考えているうちに「ごきげんよう」って、そもそもどんな言葉なんだろう?との疑問も。気になる!
さて、一度「ごきげんよう」について調べてみましょう。
ごきげんようの意味と返答の仕方は?
「ごきげんよう」は、漢字で書くと「御機嫌好う」です。あった時、別れる時、両方に使えるだけでなく、時間に関係なく一日中使える、意外と便利な言葉です。
意味合いとしては、相手の健康を祈る配慮を含んだ挨拶の言葉なのです。「ご機嫌」は、気分のことではなく体調のことを指しています。だから、時代劇などでいう「姫、本日もご機嫌うるわしく…」と言うのは、機嫌がいいのではなく、体調がいいという意味になります。私は、この点、完全に誤解していました。
「ごきげんよう」は挨拶の言葉なので、「こんにちは」「こんばんは」などと同じ扱いでOKです。「こんにちは」と目上の人から言われたら、誰でも「こんにちは」と答えますよね。そして、「こんにちは」をより丁寧な言い方はできません。
だから、相手が目上であろうが誰であろうが、「ごきげんよう」には「ごきげんよう」で返答していいのです。
でも…返答も「ごきげんよう」では気になる…
返答は「ごきげんよろしゅうございます」という人もいます。それでも間違いではないと思いますが、過剰に丁寧な気がしないでもありません…。健康を祈る挨拶という意味合いを考えれば、「体調はいいですよ」と丁寧に答えているので、意味も間違いではないと思います。
でも、なんとなく過剰に丁寧に聞こえてしまうのは、私だけなのでしょうか。
私のように「ごきげんよう」と言い慣れていない人は、この言葉の最後「…よう」に違和感を持つ人もいるかも知れません。そして、前出の「ごきげんよろしゅうございます」もなんだかなぁ…と。目上の人への返答であれば、「ごきげんよろしゅうございます」でもいいのかも知れません。相手がどう思うによります。
そんな困った場合には、「こんにちは。ご機嫌いかがですか?」などと言い換えて返答してもいいのかも知れません。挨拶は相手に不快感を与えないのが重要なので、「ごきげんよう」に対しての返答は、「こんにちは」などのシンプルな普通の挨拶に一言、何かを添えた方が「ごきげんよう」と同じくらいの丁寧さが出せるのかな?というのが私的な考えです。
「ごきげんよう」の語源は?
この言葉は、京都の宮中で使われ出したのが最初のようです。
その後、江戸時代には上層武家が日常的に使い、「山の手言葉」(東京、山の手を中心に使われた日本語の方言を指す)とされていました。他の山の手言葉には、「…ざます」「…あそばせ」などがあります。
明治時代には、標準語として「ごきげんよう」が使われるようになったそうです。
「ごきげんよう」は男性が使ってもいい?
京都の宮中で使われていた時には、女性のみが使う言葉だったそうです。しかし、山の手言葉として使われていた頃には、すでに男性も「ごきげんよう」と言っていました。
だから、現在でも、男性が「ごきげんよう」と使ってもおかしくありません。
実際には女性でも「ごきげんよう」は使わないことが多いですが、男性はなおさら使っていないでしょう。
まとめ
いかがでしたか?いきなり「ごきげんよう」と声を掛けられると、ドギマギしてしまうのは私だけでしょうか…。
まとめると…
- 「ごきげんよう」とは「御機嫌好う」と書き、相手の健康を祈る挨拶の言葉。
- 「ごきげん」は、機嫌ではなく体調の意味合い。
- 「ごきげんよう」には、「ごきげんよう」の返答でOK。
- 京都の宮中から始まった言葉で、その後山の手言葉、そして標準語になった。
- 男性でも「ごきげんよう」と言ってOK。
「ごきげんよう」がご機嫌伺いではなく、健康を伺っているとは全く思っていませんでした。丁寧なうえに、ご機嫌まで伺って、なんとなくしたたかな言葉だわ…な~んて思ってた自分が恥ずかしいです。