梅雨の時期になると、家の庭に立派に咲いている紫陽花を目にしませんか?
青やピンクなど、違う色を一度に楽しめていいですよね。
ところで、その紫陽花の色が変わるのってなぜなのでしょう?
家で紫陽花を育ててみたいと思っている方も、気になりますよね。
そこで、紫陽花の色の変化の理由を2つ、そして、紫陽花の咲く色を自分で調整できる方法を紹介します!
紫陽花の不思議な現象の背景を、いっしょにのぞいてみませんか?
紫陽花の色
みなさんは、何色くらいの紫陽花を見たことがありますか?
おおまかに言うと、白、青、紫、ピンク、赤、の5色の紫陽花があります。
別名「七変化」と呼ばれるだけありますね。
色が変わる理由1
老化
紫陽花の色が変わる原因は、開花から日数が経ち、花が老化し始めてきたことにあります。
咲き始めは、薄い黄緑色をしています。
次第に、花の中の葉緑素という組織が分解され、アントシアニンなどの色素が生合成され、青やピンクに色が変わっていきます。
そしてさらに日が過ぎると、花の中の色素が酸化され、赤色になります。
これは何だか、うなずける理由ですよね。
日が経ち酸化が進むと、色が変わってしまう食品もありますよね。
色が変わる理由2
土の酸性度(pH)
紫陽花の色が変わる原因は、紫陽花が植えられている土が、どのくらいの酸を含んでいるかにもよります。
簡単に言うと、
酸性が強い = 青
酸性が弱い(中性~アルカリ性寄り) = 赤
その中間 = 赤っぽい紫
という具合に色が変化するそうです。
青い紫陽花を見たら、土は酸性、赤なら、アルカリ性、と覚えておけばいいですね。
では、なぜその土の酸性度によって、紫陽花の色は変わってしまうのでしょうか?
紫陽花にはもともと、アントシアニンという色素があります。
その色素に、土の中にあるアルミニウムイオンが加わるかどうか、によって色は変化するのです。
酸性土壌には、アルミニウムイオンが多く含まれています。
アルミニウムイオンは水溶性のため、土の中の水分に溶けだし、紫陽花の根から吸収されます。
中性やアルカリ性土壌にも、アルミニウムイオンは含まれていますが、こちらは反対で水には溶けません。
よって、土の中にアルミニウムイオンは溶け出さないので、紫陽花の中にも入ることはありません。
つまり紫陽花が青っぽいと、アルミニウムイオンを吸収している、赤っぽいと、吸収していない、ということですね。
私は紫陽花の色が変わるのは何となく、日光の当たり具合によるのかな~とくらいに思っていましたが、全然違いました…
とても奥が深い理由が存在していたんですね。
土の酸性度の変化
ところで、じゃあどうして、土の酸度はどこも一定じゃないの?と疑問になりますよね。
実は日本のほとんどの土が、酸性だそうです。
これは、土に染み込む雨が酸性であり、土の中のアルカリ分を流してしまうためです。
でも、ハウスの中など雨の当たらない場所は、土はアルカリ性になるとのことです。
ここで、土の中の酸性度を測る方法を2つ、紹介しますね。
酸性度の調べ方
測定液を使う
土にかけると、酸性度によって色が変わり、目安が分かります。
測定器を使う
土に直接さして、使います。
安価なものから少し値段が高いものもあります。
土の酸性度は分かったけど、酸性が強かったので、アルカリ性にしたい!という方。
またはその逆で、アルカリ性寄りだったので、酸性にしたい!という方。
そのどちらも、自分でできます!
土の酸性度を調整する方法
酸性→アルカリ性
牡蠣殻や、有機石灰などのアルカリ性資材を土に撒いてみましょう。
酸性と中和され、土がアルカリ性に寄ります。
アルカリ性→酸性
石灰を入れすぎたりして、土がアルカリ性に偏ってしまうときもあります。
そのようなときは、硫安や塩安と呼ばれる酸性の肥料を撒きましょう。
まとめ
紫陽花の色が変わる理由は2つある
:紫陽花自体の老化
:紫陽花が植えられている土の酸性度
酸性度が強いと、紫陽花は青みを帯び、アルカリ性が強いと、紫陽花は赤みを帯びる
日本の土のほとんどは、酸性寄りである
土の酸性度は、自分で測定することができる
土の酸性度は、自分で調整することもできる
内容がなんとなく、小学校の理科の授業に戻ったみたいでしたね。
様々な色を見せてくれる紫陽花、ぜひ鑑賞を楽しんでみてください。