食卓に置きっぱなしのしょうゆ差し。
いざ、小皿におしょうゆを注ごうとしたら詰まっていた、なんてこと、ありませんか?
ビシャビシャなおしょうゆが、何で詰まるの?
身体に悪いものなの? 詰まらせないためには、どうしたらいいの?
そんな疑問を一気に解決します。
しょうゆ差しが詰まる原因とは?
しょうゆ差しを詰まらせる、こげ茶色のボソボソした塊。
これは、おしょうゆが乾いてできた、「おしょうゆの結晶」のようなものです。
おしょうゆは完璧な液体ですが、造る過程では、実はあまり水分を加えていません。
また、材料は、麦味噌とほぼ同じ。発酵の力で、大豆や麦麹をドロドロに溶かして、造っています。
ポロポロの米麹が、トロリとした甘酒に変わるのと同じです。
おしょうゆは、塩分とうま味成分がぎゅっと詰まった、とっても濃い液体なのです。
しょうゆ差しの口は、常にしょうゆが付着していて、室内の空気に晒された場所。
濃く溶いた水彩絵の具が、パレットの上ですぐ乾いてしまうように、
おしょうゆもまた、しょうゆ差しというパレットで乾き、固まってしまうのです。
しょうゆ差しの口を塞ぐ、あの塊は、おしょうゆに含まれる塩やアミノ酸が結晶化したもの。
口にしても身体に害があるわけではありませんが、酸化しきっているので、嫌な雑味があり、当然、ものすごくしょっぱいです。
さて、しょうゆ差しの詰まりを防ぐには、どうしたらいいでしょうか。
小さなしょうゆ差しに換える!
おしょうゆが、長時間、空気に晒されるのが、結晶化の原因です。
食卓にしょうゆ差しを常備しているライフスタイルでは、避けようがありません。
一日で使いきれる程度のおしょうゆだけを食卓に出す
というのが、一番シンプルな防止策です。
家族全員が小皿におしょうゆを取って、ちょっと余る程度のサイズが、理想的。
毎回、中身を使いきって、洗ってしまえば、おしょうゆの酸化も少ないので、美味しさ長持ち。一挙両得です。
さすがにそこまでは……。おしょうゆを使う量にバラつきがあるし……。
という場合は、しょうゆ差しを食卓に放置せず、冷蔵庫にしまうのがおすすめです。
おかずの味付けがバライティ豊かな現代、毎日毎食、おしょうゆをかけたいメニューになることもありません。
パン派の朝、クリスマスの夕べ、外食の日には、しょうゆ差しを冷蔵庫で休ませてあげましょう。
しょうゆ差しにフタをする
しょうゆ差しの小さな口でも、空気から見れば出入り自由で、フタが無いのと同じことです。
また、張力で、ほんの少しの滴が口先に取り残されがちなのも、乾いて詰まってしまう原因の一つです。
ラップと輪ゴムを駆使してカバーをかけたり、
しょうゆ差しごとタッパーに入れて密封したり、キチンとフタができるしょうゆ差しを探したり……。
しょうゆ差しを使わないという選択
最近は、「生しょうゆ」「鮮度の一滴」など、おしょうゆが少しずつしか出てこない仕組みのパッケージがあります。
注ぎ口が圧力調整弁のようになっていて、手で握ると、おしょうゆが押し出されてくる、というものです。
本来の商品の売りは、「容器内に空気が入らないので、おしょうゆが酸化しない」というものですが、
イコール、「おしょうゆが乾かない」機能でもあるのです。
手で握る力加減を間違えると、出し過ぎてしまったり、
思いのほか遠くへ滴が飛んでしまったりするので、小さなお子様にはちょっと危険ですが。
普通のボトル入りのおしょうゆでも、軽くて扱いやすいサイズなら、
わざわざしょうゆ差しに入れ替えなくても、なんとかなるものです。
ティースプーンで受けるようにして慎重に注げば、少しずつ取り分けることができます。
「どのくらいおしょうゆをかけているか」目に見えて分かるので、減塩の第一歩にも役立ちます。
また、50cc程度の小さなボトル入りのおしょうゆも販売されています。
お弁当向けにパウチされたものも、塩分量の管理がしやすくて良いかもしれません。
まとめ
・おしょうゆは意外と濃い液体。乾きやすいものと心得ましょう。
・詰まりの原因になるポロポロは、塩やアミノ酸の結晶。害は無いが、酸化が進んでいて美味しくない。
・おしょうゆは、使い切る量だけ食卓に出し、しょうゆ差しを毎回洗う。
・しょうゆ差しを冷蔵庫保管する。
・しょうゆ差しの口もフタをする。
・おしょうゆは、圧力調整弁式のパッケージ商品を買い、しょうゆ差しを使わない。
・お弁当用など、一食ごとにパウチしたおしょうゆを使う。