食中毒と聞くと、生ものや腐った食べ物でなってしまうイメージですよね?
ですがこの夏、やかんで食中毒が起きたというニュースがありました。
我が家でもやかんでお茶を作っているので、不安になって詳しく調べてみると、とても意外なことがわかりました。
今回はそんな怖いやかんの食中毒について、その原因や対策についてシェアしたいと思います。
なぜ起きてしまったかをよく理解して、ご家族を守ってくださいね。
1.やかんでおこる食中毒
やかんってお茶を作ったり、お湯を沸かすときに使いますよね?
しかも中を綺麗に洗うのも手間ですし、汚れが落ちたか確認しづらい…。
ですがこの食中毒はお水を煮沸した時につく水垢が何らかの原因で水の中に溶けだし、それを飲んだためにかかってしまうんです。
水垢で食中毒ってどういうこと?と私もニュースを聞いた時に思いました。
気になって調べてみると、私たちが普段イメージする食中毒とはまったく違った「あるもの」が原因でした!
次に詳しく見ていきましょう。
2.原因
なぜ水垢が食中毒の原因になるのでしょうか?
私達が普段飲んだり使ったりしている水道水にはごく微量の銅が混じっています。
その銅が水垢となってやかんに付着していきます。
数回程度でしたら微量ですが、何回も煮沸して使い続ける中で長い年月をかけて、どんどん銅が蓄積していき、それが一気に溶けだしたものを飲むと銅食中毒になってしまうんです。
では洗ってもなかなか落ちないようなものがなぜ溶けだすのでしょうか?
実は酸性の飲み物をやかんに入れると、化学反応が起きてしまい、水垢が溶けて飲み物の中に銅の成分が溶け込んでしまうんです。
確かにシンクの水垢や電気ポットのお手入れに酸性のクエン酸を使ってお掃除するとピカピカになりますよね?
それがやかん内部で起きてしまったということです。
でも酸性の飲み物と言われてもピンとこないと思います。
では次に実際の事例を見ながら、酸性の飲み物とはどんなものなのかご紹介しましょう。
3.事例
今回この銅食中毒が起きてしまったのは大分県にある高齢者福祉施設です。
施設がやかんに水を入れて、市販のスポーツドリンクの粉を溶かして作った飲み物を施設利用者に提供したところ、吐き気や下痢の症状出てしまったそうです。
幸い重傷者は出なかったそうですが、体力の落ちる夏、そして高齢者ということでご本人やご家族はとてもご不安だったのではないでしょうか。
これを先ほどの原因に当てはめてみると、やかんの水垢とそしてスポーツドリンクが原因であることがわかると思います。
今回はスポーツドリンクでしたが、他にも炭酸飲料や果汁飲料、乳酸菌飲料なども酸性なので避ける必要があります。
また今回の事例はやかんでしたが、そのほかにも水筒も可能性があるそうです。
水筒もそうだということは完全に盲点でした!
ではこのような銅食中毒を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
4.対策
一番はそういった金属製の容器に酸性の飲み物を入れないことです。
確かにやかんにジュースや、今回のようなスポーツドリンクを入れることってそうないと思いますが、お子さんがスポーツをやっている場合はやってしまいがちですよね。
そんな場合は、フッ素加工済のスポーツ飲料OKの水筒を使うようにしましょう。
やかんや水筒はきちんと洗って、中にキズや黒ずみがないか定期的に確認してください。
また銅が溶け込んだ飲料は青緑色になるそうなので、行事や施設などでスポーツドリンクなど酸性の飲料が提供された場合、青緑になっていないかも目安になるかもしれません。
ご家庭では金属の容器には酸性の飲料は入れない!ということを徹底してくださいね。
まとめ
- やかんで起こる食中毒の原因は水垢である。
- 水垢には微量の銅が含まれ、それが蓄積したものが酸性の飲料で溶けだし銅食中毒を引き起こす。
- 大分県にある高齢者福祉施設で、やかんに入れたスポーツドリンクを飲んだ利用者に銅食中毒が出た。酸性の飲料はそのほかに果汁飲料や乳酸菌飲料、炭酸飲料名などがある。
- 金属製の容器に酸性の飲み物を入れない。スポーツドリンクを水筒に入れる場合は対応の水筒を使う。
今回やかんで…?と驚きましたが、様々な要因が重なって起きてしまったようなので少しホッとしました。
ですが水筒の件はあり得ることなので、しっかり気をつけようと思います。