あなたは知ってる?「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」のナゼ

ついついアニメに夢中になって、テレビの間近で見ている子供に注意することってよくありますよね?

うちは、仕事から疲れて帰ったら、子供二人がリビングで電気もつけずにテレビゲームしていたなんてこともあります。

「昔、アニメを近くで見ていて倒れちゃった人がいるからやめなさい。」とは言うものの、実は私自身も子供だったのでいったい何が起きたのかよく知らないんですよね…。

また最近長男に「映画見に行ったときは暗かったじゃん。なんでうちはダメなの?」と聞かれ、答えに困ってしまいました。

なので今回は「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」というテロップが出るようになった原因や、なぜ映画館は暗くても良くてテレビはダメなのかについてご紹介します。

1.テレビのテロップについて

テロップというワード自体よく聞きますが、本来の意味ってご存知ですか?

コトバンクによると、『テレビ画面に、テレビカメラを通さずに文字・図形・写真などを写し出すための送信装置。また、その文字や図形など。もと商標名。』

だそうなんです。

元は機械の名前や商標なんですね!

ですがテレビのテロップというと普通は、出ている人の発言や、番組からの注釈、お知らせなどがテレビ画面の下部に出ているものがまず思い浮かびますよね?

今回はそういった文字のテロップに注目していきたいと思います。

2.よく見かけるテロップ

ではよく見かけるテロップってどのようなものがあるでしょうか?

代表的な例をいくつかピックアップしてみましょう。

  • 諸説あります。

これは歴史や何かのルーツについて紹介する番組によく出るテロップです。

色々な説があるので絶対にこれが正しい、とは言い切れず、後からこっちの説が正しいんじゃないかとか、他の発祥のお店を名乗っているところからのクレーム防止のために流れます。

  • スタッフが美味しくいただきました。

これはバラエティなどで食べ残しが出たりした時に出るテロップ。

なんだかめちゃくちゃな料理や食べ物で遊んでる?と思うような場面で表示されることも多いので、「本当に?」って思っちゃいますよね。

こちらも食べ物を粗末にするな!というクレームが入らないように流れるテロップです。

  • 特別な許可を得て撮影しています。

これは普通は入れない場所や公共の場で特殊な撮影を行った映像で流れるテロップです。

テレビだから許可されている、あるいはできることなのでマネしないでくださいという意味で流れています。

こちらも後からマネした一般の人からクレームが来ないように出しているんです。

ここまで見てきたテロップ、全てクレーム対策で出ているものですね。

ですが「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」だけは、クレームではなく純粋に注意喚起のために表示されているんです。

では次にそのきっかけになった出来事について見ていきましょう。

3.テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てねの起源

ではなぜ「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」と言うテロップが出るようになったのでしょうか?

事の発端は最初でも述べた通りポケモン事件、ポケモンショックと呼ばれる放送事故・事件なんです。

これはポケットモンスターの放送時、アニメの中でストロボやフラッシングなど激しい光の点滅によって、視聴者の一部が体調不良になって救急搬送されたというもの。

激しい光の刺激を断続的に受けたことによって光過敏発作(光過敏性発作てんかん)を引き起こしてしまったんですね。

てんかんと呼ばれていたように、短時間の痙攣や意識消失などの症状が出ます。

またその強い光を見ている人間全員がなるわけではなく、元々素因のある子供に症状が出てしまうそうです。

テレビを見ていた我が子が急に痙攣して倒れたら…しかも頭を打ったりしたらと思うとゾッとしますよね。

これを防ぐために、「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」というテロップがほとんどの在京・在阪のテレビ局のアニメ冒頭で流れるようになったのです。

では画面からどのぐらい離れればよいのでしょうか?

2Kのテレビだとテレビ画面の高さの3倍、4Kだと1,5倍が適正だそうです。

ただ光過敏発作のためには2メートルは離れたほうが良いという説も…。

正直うちのリビングはそんなに広くないので無理です…。

今はテレビ局の方でも光の刺激が強くならないようガイドラインが設けられているようなので、至近距離でなければ大丈夫なのかもしれませんね。

またテレビを近くで見ると目に悪くなる!という事の真偽ですが、これはテレビだけに限った問題ではありません!

テレビに限らずスマホや読書、手元を見て行う作業は、近くを見続けると目が疲れやすく目に悪いのです。

適度に遠くの景色をみるなど、休憩をはさむことを意識しましょう。

4.暗くして見るのは目に良くないのか

「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」のテロップの起源はわかりましたが、では映画館で見るのは大丈夫なのでしょうか?

確かに映画館は暗いですよね…。

ですが心配する必要はないんです!

実は映画とテレビ、同じように画面を見ている感覚ですが見ているものが全く違います。

普段意識していませんが、テレビってテレビ画面が光を発して映像を映しているので私たちは直接光を見ているということになるんです。

なので暗いところでテレビを見ると光の増減の幅が激しく、目に良くありません。

対して映画は前方のスクリーンに映写機で投影して反射したものを見るので、直接目が光を見ているわけではなくテレビよりも目への刺激、負担が少なくて暗くても大丈夫なんです。

ただ、光過敏発作についてはまったく心配が無いというわけでもなくて…

実は『バベル』という菊地凛子さんが出ていた映画で、クラブの照明のシーンで映画館でも体調を崩した人が数人いたようです。

こういったこともあり、最近ですとスターウォーズシリーズの『スカイウォーカーの夜明け』や『インクレディブル・ファミリー』でも注意喚起が行われています。

お子さんと見る映画を選ぶ時は、こういった注意書きが無いかもしっかりチェックしたほうが良さそうですね。

まとめ

「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」についてまとめ。

  1. テロップとは、テレビ画面に、テレビカメラを通さずに文字・図形・写真などを写し出すための送信装置。また、その文字や図形など。もと商標名。
  2. 多くのテロップはクレーム対策で流されていることが多いが、「テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」だけはきっかけとなる出来事があった。
  3. アニメ・ポケットモンスターのある放送回で光による刺激が強く、光過敏発作(光過敏性発作てんかん)で児童が相次いで救急搬送されたことがあった。
  4. 映画館は、映画自体スクリーンに反射したものを見ているのでテレビ程光の影響を受けず、暗くても大丈夫である。

特にテレビは光を直接見ていて、映画はスクリーンに反射したものを見ているという違いがあることを初めて知りました!

これで今度から子供が、「なんで映画は良いの?」と聞いてきても大丈夫ですね。

読んでくださってありがとうございました。

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