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「ひじきは鉄分が豊富」は嘘?!調理した時点で鉄分がなくなる件

ほしひじきといえば、「鉄分の王様」と言われていて、特に女性は積極的に食べている人も多いのではないでしょうか?

ひじきの煮物を代表に、炊き込みご飯にしたり、豆腐や枝豆と一緒にサラダにしたりしても美味しく使い勝手のいい食材でもあります。

でも…聞きたくなかったかも知れませんが…ひじきは、2015年に王様ではなくなってしまっています。鉄分だけのためにひじきを食べるのは、とても非効率なことになってしまいました。

さて、鉄分の王様:ひじきになにがあったのか、王様でなくなった今、他にひじきを食べる理由があるのか、まとめてみます。

鉄分の王様:ひじきの過去の栄光!

食品のカロリーや栄養分は「日本食品標準成分表」をみればわかると、小学校か中学校で習ったのを覚えていますか?この成分表は、文部科学省の管轄下にあり、2015年に大幅な改定がありました。

その時に、日本を震撼させる「ひじきは鉄分の王様」は嘘!との事実に至ってしまいました。「嘘」までいうと、大げさかも知れませんが…。

2010年の「日本食品標準成分表」では、ひじきの鉄分量は100g当たり55mgと記載されていました。この値は、一般的な食品の中では、乾燥あおのりに次ぐほどの鉄分量です。

あおのりは大量に食べるのは無理がありますが、ひじきなら一度に数十グラムは楽に食べられるので、効率よく鉄分を摂取できるので「王様」と呼ばれていました。

今や王様ではないひじきの現状とは…

そして、2015年の改定では、以前は1段で表記されていたひじきの欄が、6段にも増えています。そして、その数値にご注目ください。

ひじき
ほしひじき

  • ステンレス釜、乾     6.2mg
  • ステンレス釜、ゆで    0.3mg
  • ステンレス釜、油いため  0.3mg
  • 鉄釜、乾        58.2mg
  • 鉄釜、ゆで        2.7mg
  • 鉄釜、油いため      2.9mg

この数値から読み取れることは、ほしひじきは鉄釜で作られていないと鉄分が比較的低いこと、乾燥状態で高いのであって、調理するとそうでもないことがわかります。

鉄分のためには、乾燥状態のひじきを食べればいいの?

乾燥したままのひじきでは、硬いし味も感じられません。鉄分補給のためだけに、乾燥したままのひじきはおすすめできません。

ただ、ひじきは蒸すか茹でるかしてから乾燥させているので、水で戻して何度か洗えば、加熱しなくても食べられます。

その場合には、磯の香りが強い可能性がありますが、軽く湯通しすれば気にならなくなります。

王様転落ひじきは製造方法に原因がある

6段も使って成分の違いを書かれてしまったひじきですが、今まで鉄分が多いといわれていたのはひじきそのものでなく、製法にあったことがわかります。

ひじきの加工過程で鉄釜を使っていたので、その鉄分が溶け出していたのです。どうしてそのことに、2015年まで気がつかなかったの?と思いますよね。

ステンレス釜が使われるようになったのは、比較的最近のことのようです。韓国産や中国産のひじきは、まだ鉄鍋をつかっているところが多いようで、鉄分の含有は日本産よりも多いようです。

それでもひじきを食べる理由もある!

それでも、食卓にひじきを取り入れたい理由があります。王様ではないけれど、ステンレス釜を使ったのひじきでも、鶏肉、かまぼこ、各種チーズと同じくらいの鉄分は含まれています。

そして、他の注目すべきひじきの栄養には…

■食物繊維は100g中に43.3g!

なんと、ひじきの約半分近くが食物繊維で出きていることになります。人によっては、鉄分よりもこちらの事実の方が魅力的かも知れません。

■カルシウムは、なんと牛乳の12倍!

牛乳嫌いのお子さんの貴重なカルシウム源としてもいいかも知れませんね。さまざまな料理に少しずつ加えるだけでも、結構なカルシウムが摂取できそうです。

■美肌にいいビタミンAがあり、低カロリー!

海藻類はどれも低カロリーですが、ひじきも同じです。美肌効果に低カロリー、しかも植物繊維もかなり多いのは、ダイエットに有効活用できる要素です。

まとめ

王様とまで称されていたひじきなだけに、改訂による鉄分の数値は驚きましたが、それでも鉄分だけでなく栄養全般で言えば、豊富なのには変わりはありません。

 

  • 成分表の改定で、ひじきの鉄分含有量に大幅な見直しが加わった。
  • 乾燥状態では食せないが、水に戻してそのまま食べられる。
  • ひじきの鉄分量激減には、加工の工程が大きく関係する。
  • 鉄分に限らず、ひじきは栄養が豊富な海藻である。

ちなみに、ひじきに見直しがあった2015年の成分表改定で、切干大根の鉄分も3分の1に減少しているのもご存知ですか?

カテゴリ: 食関連