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決済と決裁の違いと使い分け方法を徹底マスター!

よくある社会人の、よくある躓き。

書類をまとめて、上司に提出しようとしたところ、デスクは無人。
自分も外出しなくちゃならないから、メモを添えて上司のデスクに置いておけばいいかな……。

”ケッサイお願いします”

あれ? 決済? 決裁? どっちだっけ?

決済とは

決済は、お金のやり取りをするときに使う言葉です。

備品を購入するときに建て替えたお金の清算してもらったり、
交通費を請求したり、とにかく「お金の清算」が発生するときに、使います。

特に、お金のやり取りをする当事者同士で「決済して下さい」と言うことが多いです。

身近なところでは、飲食店やコンビニで使うレジスターに、「決済」と表示されることがあります。

カードで支払われることを「カード決済」、おサイフケータイで支払われることを「スマホ決済」と表示しています。

また、預金通帳をまめに記帳していると、
年に1回くらいの頻度で、「ケッサイ」の名目で、ほんの数円か振り込まれています。

これは預金額に対する「金利の決済」です。

バブル時代は金利が高かったため、この金利の決済で数千円も振り込まれることがあったとか。……不景気って嫌ですね。

決裁とは

決裁は、目上の者が目下の者に対し、物事の裁量を決めるときに使う言葉です。

裁判長が、検事と弁護人の主張を受けて、最終的な量刑を決めるイメージです。

 

例えば、月頭に、営業マンが個人の目標ノルマを決めたとします。

その目標ノルマを、営業部長に提出すると、部長は「エースの営業マンはもうちょっとノルマを増やせ。他はこれで良し」なんて指示を出したりします。

あるいは、部署内で有休希望日をまとめて提出したとき、上司から「ゴールデンウィークの中日に、全員休むのは困るよ。せめて、3人は出勤するように調整して」と突き返されることもあります。

企画書を上司に提出して、新規プロジェクトを任されよう! というときに、「ここは良かったけど他はダメ、ライバルの企画と融合して、ライバルと一緒にプロジェクトを進めなさい」なんてことに、なることもあります。

これも上司の決裁。従うしかありませんね。
これが「決裁」です。

提案されたことに対し、採用・不採用のみならず、
修正を付け加えることもある、というのが「裁」の字に匂わせたニュアンスです。

 

上司に出す書類の内容を確認

冒頭のクエスチョンは、ちょっとズルい問いかけでした。

ケッサイの漢字はどちらが正しい使い方か、は、書類の内容によって違います。

 

お金の清算を求める内容なら「決済」。

上司に採用・不採用を問う内容なら「決裁」。

どちらも、働く上でよく起こることなので、メモを書く前に落ち着いて考えましょう。

分かりやすく言えば、領収書を提出するときは「決済」、企画書を提出するときは「決裁」です。

 

ところで、お金も絡むけれど、上司に採用・不採用を問う内容でもあるときは、どうすれば良いでしょうか?

まず、あなた自身がお金の清算を求める立場にあれば、「決済」で大丈夫だと思います。

・お客様に不良品をお渡ししてしまった場合の弁償額について。

・イベントを開催する際の、予算案について。

こういったケースでは、まずは上司の判断を仰ぐ必要がありますから、「決裁」です。

自分がミスしたものの弁償費用なんかは、「お前が決済しろ!」なんて、怒られてしまう場合もあると思います。

 

ちなみに、決済と良く似た言葉で「決算」があります。

決済は、いつでも随時清算する、という印象がありますが、決算は「期末に合わせて」の印象が強くなります。

スーツ用品店なんかが、よく「決算セール」をやっていますよね。

よく出張する方が、一か月の出張費をまとめて清算するときは
「決算」でも良いかもしれませんが、一回ずつの出張費を清算するときは「決済」を使いましょう。

一回ずつの清算なのに、うっかり「決算」を使ってしまうと、
上司は「月末にまとめて清算すれば良いのかな?」と受け取ってしまうかもしれません。

金額によっては、お財布の中身が大変なことになってしまいますよね。

どうぞご注意下さい。

まとめ

・決済は、お金の清算を求めるときに使う言葉。

・決済は、お金を清算する当事者同士でよく使う。

・決裁は、上司に採用・不採用を問うときに使う言葉。

・あなたが上司に提出する書類の内容によって変わる。落ち着いて、どちらの漢字が良いか、考えましょう。

カテゴリ: 仕事