「そりが合わない」の本当の意味!「馬が合わない」との違いは?

「そりが合わないのよね、あの人と。」と言われて、「ふーん…」と返事はしたものの、それは「うまが合わないではないのかしら?」とふと思いました。

「そりが合わない」とは、正確にどういう意味なのか、分かっていない自分に気がつきました。そして、「うまが合わない」じゃない?と思いましたが、この2つの言葉の使い分けもよくわからない。なんとなく感覚的に思っただけなのです。

ほとんど同じ意味な気はしますが、日本語は調べてみるとそうでもないこともあるし…。気になったら、その後の話をあまり聞いていない私。これじゃダメですね。気になった時がいいタイミングなので、ちゃんと調べてみよう。

「そりが合わない」の意味とは?

「そりが合わない」の「そり」は、漢字では「反り」と書きます。「反り」とは、日本刀の峰のそっている部分ことを言います。

日本刀は手作りなので、1本1本の反り具合が違います。だから、刀を作る時には、その1本に合った筒状のケース「鞘(さや)」も作ります。

他の日本刀を対ではない鞘に納めようとしても、反り具合の違いから収まらないのです。

そのこと様子から、「そりが合わない」とは、“気心が合わない”との意味があります。

「そりが合わない」は昔から使われている言葉

日本刀のさまが由来になっている言葉なので、古くから使われているのは予想がつくところです。

この表現が実際に確認できるのは、江戸時代初め1615年ころの小咄を集めた本「戯言養気集」の上巻だそうです。

「そりが合わぬ所あるを見るにつけても…」と使われているのが、記録に残っている最初です。

「そりが合う」という表現はある?

否定形「合わない」は、「合う」がもとになっています。では、「そりが合わない」の反対の意味で「そりが合う」という使い方はできるのでしょうか?

もちろん、この表現も使ってOKですし、実際に使う人もいます。でも、あまり一般的には使われない傾向にあります。

“気心が合う”の意味では、「うまが合う」を使う方が一般的です。

「うまが合わない」「うまが合う」とは?

「そりが合う」よりもよく使われる「うまが合う」。これは、「そりが合わない」と同じように「うまが合わない」ともよく使われます。

「うまが合う・合わない」の「うま」は、「馬」のことを指しています。この表現は、乗馬を由来としています。乗馬では、馬に乗る騎手と馬の相性が悪い場合には、最悪のケースで馬が騎手を背中から振り落としてしまうことがあります。

逆に相性がいい場合には、あうんの呼吸で騎手と馬が最高の走りや技をできると言われています。

このことから、「うまが合わない」は、“好みや考え方が合わず、付き合いにくい”ことを表現しています。「うまが合う」は、その逆の意味です。

「そりが合わない」と「うまが合わない」の違いは?

この表現には、明確な違いや使い分けはないと言えます。しかし、使われ方にはそれぞれ傾向があります。

「そりが合わない・合う」は、人間関係を指して使われることが多いでしょう。それに対して、「うまが合わない・合う」は人間関係以外にも使われることがあります。

つまり、「そり」は“相性”に、「うま」は“性質”に対して使われることが一般的に多いとは言えます。

人によっては、「そりが合わない・合う」は、男女間の人間関係を表現するのに使うという人もいます。「そり」は「鞘」と関係がある話を最初にしました。「元の鞘に収まる」「もとさや」という言葉があり、これは男女の人間関係を表すことが多いです。それと同じような感覚なのでしょう。

「そりが合わない」人との付き合い方は?

相性が合わない人と付き合わないのが一番いいですが、大人になるとそうもいかないものです。でも、そりが合わない人は、誰でも数人はいますよね。

そんな時には、どんなことに気をつけて付き合えばいいのでしょうか?

■自分の考え方や視点をちょっと変えてみる

相手のことを変えようとするのはほぼ無理な話ですし、自分にストレスがかかります。なので、まずは相手に対する自分の考え方などを振り返ってみましょう。

相手にとって、失礼な態度だったり、生意気だったりするのが、反りが合わない原因の一つになっているかも知れません。

また、相手を尊敬する気持ちや感謝の気持ちなどをもう少し表現してみると、関係性が変わるきっかけになるかもしれません。そのためには、そりの合わない相手でも「いいところ」を探してみるのはどうでしょうか?

■割り切る

どうしてもそりの合わない人と付き合わないといけないのは、職場であることがほとんどではないでしょうか?そんな時、私は完全に割り切るようにしています。

友達ではないのだから、そりが合わないのは仕方がないし、職場だけでの関係だから…と考えるようにしています。

まとめ

いかがでしたか?そりが合わない人と付き合うのは、意外と辛いですよね。

まとめると…

  • 「そりが合わない」とは、日本刀と鞘のさまに由来した、“気心が合わない”ことを意味する表現。
  • 江戸時代初めには使われていた記録がある。
  • 「そりが合う」は、あまり一般的な使い方ではない。
  • 「うまが合わない」は、乗馬での騎手と馬の関係から、“好みや考え方が合わず、付き合いにくい”を意味する。
  • 「そりが合わない」と「うまが合わない」の違いは、はっきりしていない。
  • 「そり」は“相性”に、「うま」は“性質”に対して使われることが一般的。

 

そりが合わない人とでもなんとかうまく付き合って、自分のストレスをため込まないようにしましょう。

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