規定と規程の違いと使い方とは 同じキテイでも微妙に違う!

職場の書類や、ニュースなどでたまに目にする、この二つの言葉。

労働条件、公的なマナーなど、ルールの名前に使われる、格式ばった言い方です。

読みは同じ「キテイ」、イントネーションも同じ、意味も似たようなもの。世の中は、この二つの同音異義語を、どう区別して使い分けているのでしょうか?

ビジネスシーンで、メールでやり取りする機会の多い、昨今。上司やお取引先に笑われないよう、自信を持って漢字変換できるようになりたいものです。

規定の意味とは

個々に定めた決まりのこと。

規(ルール)を定める。

落ち付いて考えれば、字面そのままの意味だと分かります。

法律でなぞらえれば、「○○法」の中の「第3項の12条」のポジションです。

「議員は、議院の品位を重んじなければならない」なんて、ふわっとしたものもあれば、

「辞職しようとする議員は、辞表を議長に提出しなければならない」と、当たり前のことを厳格に定めるものもありますよね。

個々のどんなケースにも、対応して定めているルールのことを「規定」といいます。

規程の意味とは

規定を集めて分類した、ルールの集まりを指します。

ルール集のタイトルだけに使う言葉です。

一言「規程」と言えば、「細々としたルールが沢山あります。よく確認してね」と伝わるのです。

法律になぞらえれば、「○○法」そのものです。

一口に「防災法」「選挙法」「刑法」と言われても、「で、具体的にどういうこと?」と、ネット検索することになりますよね。

おおまかに「このことに関して決まりがあります」というだけに存在する「規程」です。

覚えやすくまとめる

規定は、上記のとおり、「個々の規(ルール)を定めたもの」と覚えましょう。字面を見るたびに思い出せるので、おすすめです。

規程は、「タイトル」と覚えましょう。

「タイトル」だけに、使う機会は「規定」よりも多いと思います。

規程と規定の具体的な使い分け方

規定は、個々のルールを説明するときに使います。

また、「○○規定」と名詞につける場合もあれば、

「衣替えは、5月と9月に行うと規定する」

といった動詞の使い方をします。

「~する」とセットで使うときは、必ず「規定」です。

規程は、「服務規程」「労働規程」と、名詞につけて使います。

規定をまとめたファイルのタイトルなどに、よく使いますね。

同音異義語って面倒臭い!

同じ発音だけれど、意味が違う言葉がいくつかある、というのを「同音異義語」といいます。

(単に同じ読みの「雨」「飴」は、イントネーションが大きく違うので「同音異義語」ではありません)

日本語は、同音異義語が多い言葉だと言われています。

日本人は大昔から、近隣の国とは違う独特の言葉、「日本語」を話してきました。

しかし、文字は中国の「漢字」を当てはめて使い、法律や学問は、中国の書物を教科書にして、基礎を作ってきました。

中国の言葉を、日本語で読もうとすると、どうしたって酷いカタコトになります。

規定や規程を「キテイ」と読むとき、英会話のような発音の苦労はありませんよね。日本語の発音の範囲内で、規定と規程を読んだ結果が、これです。

また、中国語には色んな種類があるので、書物を手に入れた時代によっては、漢字の読みや意味が異なります。(現代の中国では、「父」「兄」を使いません!

先人が沢山の苦労をした結果、「漢字」と「日本語の発音」を定めていた結果、同音異義語がとても多くなってしまった、と考えられています。

日本の法律や学問の基礎は、中国がお手本でした。

つまり、難しいジャンルほど、同音異義語の単語を多く使うことになります。

大事なことだから、勘違いが起こらないように伝えなければならないけれど、同音異義語が多い。なんて面倒臭い!

まとめ

・規定は、個々のケースに対応するルールそのもの。

字面を落ち付いて見れば分かるので、「規(ルール)を定める」と覚えましょう。

「○○は××する」と、細かな指定のものも、「議員は、議院の品位を重んじなければならない」なんてふわっとしたものも、規定。

「~を規定する」動詞の使い方もある。

・規程は、規定を集めたもののタイトル。

必ず名詞。規定をまとめて閉じた、ファイルの名前に使うもの。「服務規程」など。

規程だけでは、具体的なことは分からない。「細かいルールが沢山あるよ」という意味でもある。

・法律や学問などの、難しいジャンルほど、同音異義語の単語が多い。

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